第69話 めまいで入院するとは!

『治る病気だから大丈夫ですよ』



なんということでしょう……。

こんなに健康に気をつかっているというのに、末梢性めまいで入院しました。

仕事から帰宅し昼食をとり、少し横になろうとした瞬間、部屋がぐるぐると回転して止まらない。こんなに回ったことないぞ!と慌ててトイレに行き、あとで部屋を汚さないように吐ける限り吐きました。治まったかな~とトイレを出るとまたぐるぐる回る。胃がムカムカしてどうしようもない。そしてまた吐く。そんなことを5回ほど繰り返し、すでに1時間近くが経過。どんどん悪化していくめまい。無理しなくても吐ける。もう動けないヤバイ。最後の力をふりしぼり、保険証とお薬手帳と財布と携帯のバッテリーと飲み水とタオルと下着を集めて救急車を呼びました。

うまくしゃべれなかったのに、119番の方は私の言ってることをちゃんとわかってくれて嬉しかったです。


折り返し救急車から電話がきて、声にならない荒い息の声で答えたあと、うようにして外へ出ると、思ったよりも早く救急車が到着して、なんとかストレッチャーに乗って病院へ。振動がつらかったけど、その間もずっと励ましてくれたり、揺れることを謝ってくれた隊員さん。とても優しかったです。ありがとう。


CTとMRIと血液検査をしてもらいましたが、その度に検査台に移るのがつらかった。MRIは音がすごくて鼓膜が破れるかと思いました。検査の所要時間は15分ぐらいって言われてたけど、その間に4回ほど寝落ちしてしまいました。

そう言ったら、家族には気絶だと言われましたが(^-^;)


検査の結果は異常なし、と言われた頃に家族が到着。

やっぱり家族の顔を見るとほっとしますね。


耳の聞こえも悪くないし、耳が詰まった感じもないので、メニエールではありませんでした。

寝不足とかストレスとか更年期が原因かもしれないようです。

自律神経の不調って怖いですね。


入院することになり、大部屋を希望しました。

「トイレに行きたいんですが、どうすればいいですか?」

と看護婦さんに聞くと

「一緒に行きましょう」

と車椅子に乗せてくれたのですが、少しでも動くとめまいと吐き気が戻ってきて大変でした。

吐き気が治まるまで待っていただいて、個室の中のことまで看護婦さんに全部やっていただいて、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

しかもベッドに戻ってきて苦しくてうなり続け、さらに大部屋はマズイと思い個室に移動した衝撃で吐きまくり、そんな私を笑顔で看護婦さんははげましたりなぐさめたりしてくれて、本当に感謝してもしきれません。


そうこうしているうちに、気がつけば家族が全員集合していました。

個室でよかった。


まっすぐに寝て、しばらく動かなければ落ち着くのですが、頭を左右に動かすのもつらいので、パサパサの口を潤すためにどうやってお茶を飲もうかと考えていると、旦那さんは躊躇ちゅうちょなくお茶にストローをつけて親指で蓋をして、口まで運んでくれました。

子供の頃こうやって、縮めたストローの紙袋に水かけて遊んだな~と、懐かしく思い出しながら口の中を潤しました。


『治る病気だから大丈夫ですよ』

は、検査結果がでたあとと病室へ行ってから、なんども医師せんせいが言ってくれた言葉です。

私が死にそうな顔をしてたからはげましてくれたんですね。

たくさんの優しい人たちにお世話になって、優しい家族の笑顔に囲まれて、私って幸せだな~と深く感じた1日でした。


続く……

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