第3話 ネコ耳巨乳美少女との出会い
村に向かって数分ほど歩いていると……
「キャーーーーーーー!!」
突然進行方向から女の叫び声が聞こえた。
「なんだ!」
俺は叫び声を聞くや否や声の元へ駆け寄った。
そこで俺はこの世界に来て初めて魔物らしい魔物を見た。
前の世界のよりひとまわり大きい熊らしき魔物が前脚を大きく広げ俺に背を向けていた。
魔物で隠れて見えないが、おそらくあいつの目の前に女がいて木を背に追い詰められているのだろう。
「これは助けるしかないな。」
以前の俺なら見て見ぬ振りをして通り過ぎていただろう。
だが今の俺は最強なのだ。さっきの一連の出来事のおかげで俺の脳内の辞書からは恐怖という言葉は消え、自身に満ち満ちていた。
だから俺には助ける以外の選択肢がなかった。
俺は瞬時にその魔物の倒し方を脳内でシミュレーションした。
このまま魔物の背後にまっすぐ突っ込み拳でぶっ倒そうとしたがそれでは女も一緒に死んでしまいそうだ。
よし。なら、このやり方でいこう。
俺は右足で地面を力強く蹴り魔物の右後ろまで近づき、しっかりと左足で地面を掴み、それを軸に全力の右足キックを魔物の横腹に浴びせた。
「うおりゃぁぁぁぁぁぁ!!」
その瞬間魔物は地面をえぐり、太い根をしっかりと張った木を何本も倒しながらぶっ飛んでいった。
「あ……。」
初めての魔物らしい魔物との戦いですっかり興奮してしまい、また加減をしなければいけないほど自分が強いということを忘れていた。
それより悲鳴をあげていた女は無事だろうか。
そう思い俺は目線をぶっ飛んでいった魔物から女の方に向けた。
その瞬間俺の心に電撃が走った。
そこには長めの茶髪でぱっちりお目目の最高に可愛いネコ耳の少女が唖然とした顔で座りぼーっと俺を見つめていた。
俺もその少女のあまりの可愛さに見惚みとれて目を離せずにいた。
しかも服がボロボロでシャツの首元はダルんダルんにたるんでおり、大きな胸が見えそうだった。いや、ほとんど見えていた。
俺は目を背けようとしたが、ますます吸い込まれるような感覚に陥おちいった。
するとようやく状況を理解できたのか、少女が口を開いた。
「あっあの、助けていただきありがとうございます。」
少女は顔を赤らめ、照れくさそうにモジモジしながら俺にお礼を言った。
俺は少女のその仕草が可愛すぎて何も答えられずにいた。
すると少女はさっき以上にモジモジしながら衝撃的な言葉を口にした。
「あっあのぉ……、お礼がしたいのでよければ家うちに来ませんか? 私近くの村に住んでいるんです。」
「いっ家!?」
こんな可愛い子に家に来ないかと誘われるなんて思ってもいなかったからついダサい反応をしてしまった。
そういえば俺はこの子を助けたんだった。つまり彼女にとって俺は命の恩人だ。家に誘われても何もおかしくはない。それに俺は以前のような弱い男ではないのだ。もっと強者らしく堂々とするべきだ。
「ちょうど村に向かってたところだったんだ。是非お邪魔するよ。」
「はいっ!」
その少女は笑顔でとても嬉しそうに返事をした。
俺は彼女と一緒に森へ向かいながらお互いに軽く自己紹介をし合った。
彼女の名前はニャターシャ。歳は19で、ネコ耳族という民族らしい。
獣人族とかなのかなと思っていたがどうやらネコ専門の民族らしく、この世界には他に人型で知性を持った動物はいないらしい。
ネコは好きだし、何より彼女みたいな可愛い子が他にもたくさんいると考えると得した気分だった。
一方俺の方は、正直に異世界から来たというと引かれそうな気がしたので、目を覚ますと記憶を失くし森の中にいた、ということにした。まあ肝心なところは省略してあるが嘘ではない。
それから、どうしてあんなに強いのか?と聞かれたがそれも分からないと答えておいた。
まあ実際どうしてこんなにステータスが高いのか自分でもわかっていない。
と話しているうちに村にたどり着いた。
村は無いよりはマシといった程度の低い木の柵さくに囲まれていた。
「着きました! ここが私たちネコ耳族の暮らすニャザール村です!」
俺は可愛いネコ耳たちとの交流の期待を胸に抱きつつも、強者として堂々とした振る舞いをしようと心に決め、いざ、村へと足を踏み入れた……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます