ヤンツン姫と俺の日々 〜ヤンデレの癖にツンデレの姫〜 

アキノリ@pokkey11.1

第1話 ヤンツン姫、宮間京

義妹という存在は簡単に言えば謎が多い。

それが基本的には義妹というもんであり、妹と呼べる存在。

まあ、俺の義妹は血が繋がってないのだが。


俺、宮間修兵(みやましゅうへい)の義妹、旧姓(冨樫)現(宮間京)基本的に感情をツンツンして表現する。

俗に言う、ツンデレ属性を発する。

だからそれだけだと思ったら全然、違う。


何が違うかと言えばツンツンしている癖に思いっきりに殺意を持って俺の知り合いの黒のオーラを撒き散らしながら女性達に接してきた。

その点は明らかに恥ずかしがり屋じゃ無く、ただのぶっ殺したい気持ちだと思う。

俺は苦笑しながら、それを見てきた。


そんな京にツンデレ以外にヤンデレが有ると知ったのは或る日の事だ。

俺が京の部屋にハサミを借りに行った時、極秘お兄ちゃん日記なるものを見つけ、読もうとしたのだが。


直ぐに義妹が学校から帰宅してしまい、慌てて収納。

表紙しか見てないがそれはきっと何らかの歪んだ性格の表現だろうと思った。

だって、ツンデレだったらそんな事しないと思う。


その次の日に読もうと思ったがその極秘お兄ちゃん日記は行方が分からなくなり。

何故、義妹は俺にその表面を出さないのか.....。

それを悶々と考えるが、答えが出ないまま、高一から半年が経過した高二の春。


遂に京が俺に話してきた。

その事を、だ。



(では現場から中継を。北区、殺人事件が有った.....)


「お兄ちゃん」


「何だ?京」


テレビを見ていると、俺、宮間修兵に京が話し掛けてきた。

俺は静かに京の方を見る。

その京はやはりツンツンしていた。


「別に用事なんて無いんだけど。仕方が無いから話し掛けてるだけだから」


俺は苦笑いで京を見る。

別に話し掛けなくても良いって事だろそれ。


そんな京は15歳で、赤いリボンで留めた黒髪のポニテ。

身長161センチ、顔立ちもEラインも全てが整った様な、細い眉毛と白い画用紙の様な黒子無しの真っ白な肌、そして柔らかそうな唇。

目も大きい様な、完璧美少女。


成績も通っている学校では俺より優秀。

冨樫と言えば、この北区では成績優秀なマジで有名な響名であった。

現在の名は宮間京だが、その15歳の少女が義妹ってのが今でも信じられない。


完璧少女、京が俺を見つめている。

俺は冷や汗を一筋、流した。

遂に俺にヤンデレの本性を.....バラす気になったのか.....?

と思ったからだ。


その様に考えていると、京は俺をチラ見しながら話した。

そして俺に髪の毛を弄りながら、ソワソワしつつ向いてくる。

俺はマジな目で見る。


「お兄ちゃん、勝手に私の部屋に入って無いよね?」


「.....お、おう」


「なら良いけど、本当に勝手に入らないでね?」


.....?が滅茶苦茶に俺の脳内に響く。

落ち着け、こいつは只のツンデレだ、そう思え!

隠れヤンデレじゃ無い筈だ。


俺はその様に思いながら、眉を顰めて冷や汗を流しつつ義妹を見据える。

そして京は踵を返してニコッと笑みリビングから去って行った。

俺は安堵の溜息を盛大に吐いて、俯く。


「.....心臓が.....止まる.....」


俺はゼエゼエ言いながら、冷や汗を拭う。

俺は目の前の殺人事件のニュースを観て、これも義妹の仕業では無いか。

なんて被害妄想が出るぐらい。

マジで怖い。



義妹が極秘お兄ちゃんノートを書いている事に気が付いて。

俺は本当に冷や汗をかいている様な日々を悶々と過ごしていた。

その夕方、飯を食って自室で天井を見てただ考える。

何故なのだろうな、と。


「.....京はあんな感じになったのか.....だな」


俺はただ天井のライトを見ながら天井に掲げる様に携帯を弄りつつ。

ただ呆然と義妹の隠れ趣味の事を考えていた。

京は本当にヤンデレなのだろうか?


「.....まぁ考えても無駄か.....とにかく.....」


日記の中を何としてでも見ないといけない。

何故なら俺の心配事が消えないからだ。

その様に思っていると、いつの間にか寝てしまっていた。

翌日になっており.....。

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