ディープ・デッド・フィラー

青森スカイ

序章

Episode1 願いを叶える宝石

闇。

太陽の光も刺さぬ闇の世界。空は絶望色に染まっている。

地は裂けている。空気は狂っている。

ここは、魔界か?それとも地獄か?


『トコン』


少女がひとり歩いてくる。

身長120cm、体重55kg…子供だ。

瞳は黒曜石の如く輝き、髪色は嵐のように禍々しい。

そして裸だった。その裸がまた、美しかった。


「深き闇がここにあると聞いた!!!開け、地よ!!!」


女は雄叫びのような声を挙げ、目から虹色の光線を放ちそれを地面へと放った。

それに呼応するかのように地もまた、大きなゆらぎを見せた。


大きな地割れがおこり、少女の目の前に漆黒の宝石が姿を見せる。


『暗黒の至宝の一つ。D・D・F<ディープ・デッド・フィラー>……4000年ぶりに復活せし。』


宝石が美しく喋った。


『二つの質問をしよう。汝の名は?汝の目的は?』


少女は美しく胸を張り、自信満々に言葉を放つ。


「我が名はクロイツェン・ママゴンネード…我が目的は、力!!」


『なるほど。素晴らしい。君とはいいパートナーになれそうだ…』


「では。お願いしますよ。」


『ルール従い、汝が望み、叶えよう』


黒い宝石は光を放ち、クロイツェンに金色のビームを放つ。


「痛い!」


ヂォン!!ブオ!!おぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!


クロイツェンが変身する。


「これだ……これだこれだこれだ!!これだ………!!!これだああああああああ!!!!!!

 俺様はついに手に入れたぞ!!!!!!!究極のパワーを!!!!!!!!!!!

 まず手始めにアトランティス大陸!ムー大陸!レムリア大陸を沈めてくれよう!!!」


以上が、3500年前に実在していた、封印を解きし人間の望みをかなえる暗黒の願望器

『D・D・F<ディーディーエフ>』

それに関する記録、その一部である。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


そして現代、平成22年。


『D・D・F』の記録は、まだ残っていた…

だが、日常に生きる凡百の人間たちは、あのあまりにも突拍子の無いぶっ飛んだ闇の宝石の記録を、古代人の作り上げたカスのような妄想だと断定していた。


だがここに一人、『D・D・F』を信じる馬鹿が一人だけいた!!!


そいつは女性だった。

身長150㎝、髪は銀髪ショートで、瞳もシルバー、そして肌の色は神聖なる褐色であった。

免許証にはプレイマー・グランという名が書かれている。


「あの『D・D・F』の記録はマジだ。

 突拍子もないような事が書かれているが、マジなんだ。

 私の中に流れる血が、マジだと、あの宝石の悲劇を阻止せよと言っている。」


女がマスクをかぶる、その姿は、銀色の怪盗………


「だが、乗り気じゃないってわけじゃない。

 『D・D・F』って石はあの警戒レベル86の危険地、

 『新潟宝石博物館の地下12階』に展示されてるって噂だからな………

 面白いじゃないか、私の怪盗としての血も燃えてきた…沸騰して来たよ……

 さっそく盗みの挑戦状を書かせていただこう…」


シーフ・シルバーであった………!!!!!



この物語は悪魔の宝石『D・D・F』。


そしてそれを巡って戦う、怪盗、探偵、世界のトップたちの闘いの記録である………







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