4.独居
空虚なヒポコンデリーに絶えかねて
渋沢孝輔の詩をつまみ読んでいると
何か書かなくてはいけない重大事 いや
重大ではないかもしれないがとにかく
ひとつの着想が訪れたことに変わりなく
叶うならそこから翼の生える
かもしれぬ と
白紙に目を差し向けたら
たちまち言葉が消えてく
今こうして再起を賭けて上記の通りを書き
付けてはみたが どうやら返ってくる
気配はない 筆を置き
掛けたがああこれだ
青白い氷の手が
正座した両の膝を掴んでいる
独りであればこそこの
透明な接触も意識されてもちろん
それだからとこれが優しさだとかそんな
逆説を唱えるつもりもない
ただひたすらに撫でる両の
掌
それだけを言おうとしただけだ
それがつまりなんだというつもりもない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます