第26話:東日本大震災と茨城の親戚への義捐金2

 翌日の午前10時半に金井一郎と義朗がメインバンクの橫浜銀行から金井三郎

の常陽銀行、水戸本店の口座宛に2千万円を振り込んだ。家に帰ると11時過ぎ

に金井三郎さんから電話で確かに2千万円が入金されたことを確認しましたと

言い3月中をめどに本家へ行って話し合って使い方を決めて振り分けて詳細を、

お送りしますと言い本当にありがとうございますと、最後は涙声になりながら、

頭を下げているようだった。金井一郎が受話器を持ちながら目に涙を浮かべて、

亡き、金井八重さんからいただいた、ありがたい遺産を役立てることができる

喜びをかみしめていた。その後、金井三郎さんから書留で、逐次、使用した

金額と領収書、明細書、受領書をきちんと送ってきてくれた。一番被害の

大きい、金井良文と旧姓、金井遼子に6百万円ずつ渡し残りの8百万円を家の

修理代の領収書をつけて、10件合計で約3百万円、残金の5百万円を金井三郎

が預かり、親戚で必要と言われたときに、分配すると言う事で親戚一同の了解

を取りつけたと話してくれた。そうして2011年5月8日に金井良文と旧姓

、金井遼子が茨城県の県営住宅に入居できたと連絡があり、1千万円の返金

があったので親戚で家や車の修理代など経費の領収書をもらい、概ね6百万円

を分配し残金が9百万円となり、本家を建て直すのに元金として9百万円を

貸して欲しいと言われたので、貸し付けて、返却してくれた分を均等に、

親戚に分配することにしたいと金井三郎さんが書いてきたので金井一郎が

了解した。その後も、律儀に、本家のは返却金と分配した先と金額の明細を、

その都度、送ってくれた。この話を金井義朗に話すと、さすがにプロの

金融マンはそうでなくちゃと金井三郎さんを誉めていた。


 しかし、金井三郎さんは結局、1銭も、もらわずに、経理処理だけを、

しっかりしていたので同年代の金井義朗が、便せんに手紙を入れて、

残務処理の金券としてJCBギフトカードを3万円分つけて、金井三郎

さんの事務手数料として使って下さいと書いて、送ると、数日後、義朗の

所へ三郎さんから、お礼の電話がかかり、やっと、これで、大役を果たす

ことができたと喜んでいたようだった。それから、数日後、金井一郎と

義朗の所へ、水戸納豆と水戸の梅という羊羹が、たくさん金井三郎さん

から届いた。そうして、東日本の義捐金の話を終えたが、地震の方は、

その後も、茨城県では、大きな余震が続いていた。


 橫浜の方では、亡き金井次郎の長女、金井秀子が同じ三菱銀行の2つ

先輩の木島三郎と結婚して目黒のマンションに2011年5月28日に

新居を構えた。東日本大震災に見舞われ散々だった2011年が終わり

を告げて、2012年を迎えた。しかし、この年もインドネシア・

スマトラ島の沖でマグニチュード8.7と言う巨大地震が起きて、タイ、

インドネシア、スリランカ、インドでは津波警報が発令された。


 昨年の東日本大震災を思い出し最近世界中での大地震に怖じ気づいた。

 その後、2012年に長男の秀二が同じ職場の2つ下の上田かえでさん

と2012年6月16日結婚してKDDIの家族寮に入った。

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