恐怖のハートフルストーリー

@goshi_kaku

第1話

ハートフル(hurtful)というのは「苦痛を与える」という意味なんです。


さてさて、どんな恐怖と苦痛を与えましょうか。私があの重苦しい扉の先へ案内してあげますよ。ふふふ。




おっと、その前に。


あなたは「恐怖」というものが何なのかご存知ですか?




……諸説ありますが、私は『想像すること』にあると思います。


対象の恐怖が事細かな説明と同時に出てきても、恐くはありません。そして、死んだあとどうなるのかを確信できていれば、死すらも恐くはありません。


”分からなくて”想像が膨らむからこそ、恐怖というものは生まれるのです。




そのことから分かるのは、想像力のある人間ほど、恐怖を感じやすく、自分から提示された以上の恐怖へ膨らませているのです。


そうなると、人を恐怖させ苦痛を与える方法も、よりよいものにしていけますね。ふふ。




あぁ……まだ、いまの段階では想像できませんか。


それなら、情報を増やしましょう。




「恐怖」には弱点とされるものがあります。


それはなにかを信じるという『思い込み』の力です。


宗教が死後を語るのは、信仰と思い込みの力こそが恐怖に打ち勝つ唯一のものだと知っているからですね。


信じているものの枠外へ想像を膨らませようとしても、ブレーキがかかるものです。そんなことはありえない、そんなことはおこりえないと。




だからこそ、いじわるして、それを取っ払ってあげたい。


その思い込みに亀裂をあけ、その先にまだ広がりがあると知れば。


そうすれば、どこまでもどこまでも『ありえる』ことで『想像できてしまう』ことになる。


それは「常識」や「社会」に対してだっていい。”それ”を崩されたとき、多くの恐怖があなたを襲うことになりますね。




ふふ。それでも、あなたはこの扉を”自らの手”で開けるでしょう。


なぜなら、これこそが特別な人の思考であり、天才と呼ばれる人の思考なのですから。


あなたは、いまの現状に満足していますか? 特別でありたいとは思いませんか?


この扉をあけると、今まで見えなかったものが見えるようになり、感じることができなかったことを感じれるようになります。


手をかしましょう。




あなたは、こちらへ来ますか?




この扉はいつだって鍵なんてものはかけていません。重く大きく見える扉ですが、実はひと押しするだけで、開けちゃうんです。


さぁ、あなたもこの先を見ましょうよ。ふふふ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

恐怖のハートフルストーリー @goshi_kaku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ