第37話:リーマンショックで世界経済がパニックに!

 サブプライムローンも最初は、実際に、しばらくはうまくいきました。

 高金利ですから、サブプライムローンからの収益は大きなものとなり、

うまくいくものだから、がんがんサブプライムローンを売りまくりました。


 それこそ、ウェイトレスさんやビルの窓ふきのアルバイトさんにも、皆、

自分の家が欲しく、まさに「夢」なので、売れまくりました。味をしめた

投資銀行や金融機関は、もっと儲けようと考えました。そして当時エリート

で、賢い「はず」だった人達があることを考案します。


 この、サブプライムローンを証券化して、たくさんの企業や人に売れば

もっと儲かるのでは? でも、返済が滞るリスクがあるなあ~ よし!

そのリスクは、信用力の高い人達に貸した普通の住宅ローン※とセットに

すれば、多少貸し倒れがあっても信用力の高い住宅ローンでカバーできる!


 さらに、もっと他の信用力のあるローンとも混ぜることでリスクが低く

均一になるという理屈でサブプライムローンは投資銀行により証券化され、

リスクの低い金融商品などとセット販売という形で。少ないリスクで、

大きなリターンが見込める商品として。世界中で売れた。


 そして、これがアメリカを代表するような投資銀行・証券会社が売り出した

ものですから、世界中の銀行や機関投資家などがこぞって買いました。

 景気が良い間は返済が滞らず、土地や家の値段が上がり続けている間は

返済が滞っても家を売ったら高値で売れるので、良かったのです。


 しかし、そんなことは永久には続きません。景気が徐々に悪化していき

、土地と家の値段も下がると、アルバイトやパートの人達が職を失い始め、

返済が滞るってた。返済が滞った銀行は、しょうがないので担保である家

を売ろうとしますが、買い手がなかなかいませんので売値を下げて処分した。


 その結果、貸した住宅ローンを、売ったお金でカバーできず、住宅ローン

は赤字。サブプライムローンの貸し手であるアメリカ中の金融機関は大赤字

をかかえた。さらに悪い事にサブプライムローンは、複雑に色々な金融商品

と混ぜて証券化されていたため、どの金融商品に、赤字となるサブプライム

ローンが含まれているのか、投資家はよくわかりませんでした。


 恐怖が、市場を襲い、パニック状態となり、あやしいと思う金融商品も

問題なさそうなものも投げ売ります。金融機関や投資銀行の経営は大きく

悪化し、小さな金融機関はつぶれるところも出てきました。ベアースターンズ

という、アメリカの巨大企業が、経営破たんした。とても巨大な企業です。

 そのまま倒産させると影響は計り知れません。そのため、アメリカ政府は

これを税金投入して救済します。放置して潰してしまうと、影響があまりにも

大きいと判断したからです。すると今度は巨大証券会社リーマンブラザーズ

が経営破綻。こちらも政府に救済されるだろう、と人々は思いましたが

救済されませんでした。


 またもやパニック、株価は大暴落、貸したお金は貸した先が潰れてしまい

、返ってこない・不良債権、なんとか経営負担を軽くするため、従業員を

解雇。連鎖的にアメリカの投資銀行や地方銀行の多くがつぶれました。

 2010年までで300行以上。銀行がつぶれるものだから、融資を

受けていた企業もどんどん潰れました。

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