第33話:2005年の日本旅行2

 夜7時から、夕飯を部屋へ持って来てくれ、サリーが英語で、料理の説明を聞く

と、仲居さんが流暢な英語で応対してくれて、日本人のコックさんは、手先が

器用なんですねと笑いながら言うと、仲居さんが、そりゃー選りすぐりの、

コックのエリートしかこの旅館では働けないのですと答えてくれた。余りに

親切に応対してくれるので、チップを渡そうとすると、これは、仕事ですから

、結構ですと、笑顔で断るのでサリーは、その謙虚さに、一層、仲居さんを

気に入った様だ。


 夕方、熱燗の日本酒をもらって飲んで、美味しいので追加注文する程で、

また、あの仲居さん飽きたので、少し、話を聞かせてと言うと、ハイと答えた

ので、ここの日本酒は何故、こんなに美味しいのと言うと、日本酒は水の良さ

が一番大事で、山形、新潟は日本でもトップクラスの水の良さと酒の良さが

自慢ですと答えた。次に、何故、升に入れて飲んだ方が美味しいのと聞くと、

杉の木の香りと酒の香りが良い、ハーモニーでいっそう、美味しくなると

教えてくれた。次に、リチャードが僕の父は日本人だと言うと、では、

日本語の会話、わかるのと聞くので、ほぼわかると言うと答えると、驚いた。


 そう言う事があるせいかもしれないが、日本の温泉や山、海、川、自然、

魚が大好きで、郷愁を感じると、しみじみと話すと、今の若い日本人に

聞かせてやりたいくらいですわと笑いながら話した。ところで、いろんな

ガイドをしたから、ガイド料として20ドルのチップを取っておいて

下さいとたどたどしい日本語で言うと、目を潤ませて、お心遣い、本当に

ありがとうございますと言って受け取ってくれた。


 お客さん、また来て下さいねと、優しく言ってくれるのを聞いて、サリー

も思わず、もらい泣きした。その時の仲居さんに、名刺をもらうと、彼女の

名前は、清水慶子と書いてあった日本の旅館っていいね、仲居さんも良いねと

、上機嫌だった。そうして、お膳を下げてもらい、床についた。


 翌朝10月8日、朝風呂に入って、8時過ぎにチェックアウトする時、

昨晩の仲居さんが来て、今日はどちらに行かれるのと聞くので、瀬波温泉

に入って、食事して、新潟から東京へと言うと、村上は、鮭が美味しいと

教えてくれて、ちょっと待っててと言って、村上の鮭の店の案内、ガイド

ブックを持って来て、これを参考にすると良いわよ言い、渡してくれた。

 あつみ温泉まで、どの位の時間かかると尋ねると、電車で2時間弱、

タクシーで1時間だというので瀬波温泉まで送ってくれるタクシーを呼んで

欲しいと、お願いした。


 サリーは、彼女の名刺をもらい、本当に親切にしてくれてありがとうと

、ハグした。彼女に手を振りながら、宿を離れて、タクシーで瀬波温泉へ

ついて、日帰りで使える、おすすめの温泉を聞いて、大観荘せなみの湯を

教えてくれたので、そこまで、お願いして、1時間くらいで、村上駅まで

送って欲しいというと了解して、ホテルのロビーで待っていますと

言ってくれた。

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