Depth:eX/Closed Cross seCtion

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本文














よう。




いるんだろ。見えちゃいねえけどな。


暗すぎて自分の腕も足も今どうなってんだかわからん。

ちゃんとついてんのか、取れてどっか行ってるのかもわかんねえ。

どっちでもいいか。ここは暗いからなあ。



でもお前がそこにいるのはわかる。



お前は、ここにいるべきじゃない。でも来ちまったもんをどうにもできないし。

出てけとは言わないが、歓迎しますとも言わない。

いつかは浮かんでってくださいね。浮かべるうちに。







会話する気はないか。それとも、話そうとしてるのに声が出ないか。

この深さじゃお前には無理だよ。これは、あれだ、夢みたいなものだ。

色々言いたいことがあるかもしれないけど、諦めろ。

覚めれば忘れる。



忘れてくれ。





















なんで…………





なんで。


どうしてだよ。







期待するから裏切られたと感じる。


理想が刺さって現実が血を流す。


みんな傷だらけだ、でも自分ひとりで塞げる傷の数なんてたかが知れてる。

だから独りになった奴から死ぬのです。

ボッチは罪だって説明書にも書かれてある。






なのに、


何百回間違えて、その全部をやり直して、やっと救えたと思ったのに。また踏み外したんだ。















オレは。






オレは、


ずっと前にとっくに壊れてた、これ以上傷つくこともない。

オレひとりで無傷の多くを守れるなら守りたかった。

お前や他の誰かじゃなくオレだけが痛いならどんな痛みでも受ける覚悟があった!



そのはずなのに、……







…………







………………






ッ、ゔえ。









ああ~……






気持ち悪りい。

















……これ以上、傷つくことなんてないと思ってたんだよ。








でも今はどうだ。


もう呼吸をしてないのに、窒息していく。


もうバラバラになってるのに、まだ、砕け散る。






なんでだと思う?




















世界がまた、お前の姿をしているから。




お前だったものの中身を刳り貫いて、世界が収まっているから。












なあ、いるんだろ。


返事できねえのもわかってるんだ、でもさ、確かめさせてくれよ。


お前、






そこにいるのか?























ちがう。










ちがう。


お前じゃない。




違う……





………………








……いや、これでいいんだ。



だってお前はここにいるべきじゃないから。


ハハハ。



…………



………………

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