転生者にチート?現実世界の知識で十分でしょ?

@888888

第1話 転生トラック突撃!転生特典は特にないよ!


 朝、学校へ向かう途中にトラックが迫ってきた、不幸な事に周囲には誰もおらず、ヘッドホンをしながらスマホを見ていた自分がトラックに気がついた時には手遅れだった。

 あ、死んだ

 間近に見えるトラックの運転席では運転手が突っ伏している。

 (ああ、急性の病気か何かで意識が飛んでアクセル全開なのか、なら仕方ない。)

 今の状況に納得し、悟った。

 これは、ただの不幸であると

 そして跳ねられて暗転した。



 

 (…生きてる?いや、違うな…)

 暗転した意識が戻り、目を開ける。

 目を開けても殆ど見えない、遠くはぼやけている。

 わかった事は自分が横たわっていること、視界の端に赤い水溜まりが出来ていること。

 自分の血だ、水溜まりの大きさからして助からないのは明白だ、自分はここで死ぬ。

 死ぬ前に意識が戻ったのは神様の気まぐれだろう、お陰で自分の死を自覚出来たのだ、後悔もするほどの何かを成した事も希望も無いので幽霊に成ることは無い。

 事故で死ぬのだ、誰かに殺意を持って殺されるのではなく不幸な事故で、だから、しょうがない。

 自分の死に納得していると、眠くなってきた。

 ああ、眠るように死ねるなんて幸せじゃないか。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る