青磁の壺

自転車を 漕いでお見舞い 四半刻 酸素濃度を 睨んで帰る 


中元を 過ぎた晴れ間で 果物に 似ているあなたを 送る棺


友引を 嫌う人も いますから 避暑地に似ている 安置所の陰


暇でしょう 顔を見に行く 箱の中 生物室に 似ているにおい


番人の やうに立って 眺めてる 喪主する祖母の 薄い背中


二回目の お骨拾いで 喉仏 骨壺に詰める 小さなあなた


『お電話口に』 「出られないのです」 床の間に 青磁の壺の 事実を述べる

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