その一言のため
勝利だギューちゃん
第1話
春の足音が聞えてくる。
ゆっくりと、しかし確実に近づいてくる。
春・・・
生命の目覚める季節・・・
しかし、それはいい・・・
「よくないわよ」
びっくりした・・・
なんなんだ?いきなり・・・
「私は、この時期とても忙しいんだから、
あなたも、怠けないでね。」
わかってますよ・・・
乃木花真彩さん、自称22歳の巫女。
この乃木花神社を、ひとりで切り盛りしている。
えっ、お前は誰だって?
僕は・・・
「あなたの事はいいの、さあ仕事して、仕事」
了解しました。
なげやりな対応を取ると、この人はうるさい。
仕事だからではない。
単なる、お嬢様気取り・・・
「何か言った?」
いえ、何も・・・
「とりあえず、昼ごはん作って」
完全な主夫の生活である。
乃木花真彩さんは、死者の魂のあの世へと誘うのが仕事。
人間だけでなく、あらゆる生物の・・・
死者の魂は、鳥居の上に集まる。
それを霊界から、鳥が迎えに来る。
その鳥が羽を休ませるために作られたので、鳥居と言われているが、
その橋渡しをするのが、真彩さんの仕事。
「だから、私は死神じゃないの」
わかってますよ。
しかし、鳥居の大きさには限りがある。
とても、全員が止まれず、待機させておく。
その待機させておく建物があるが、そこで真彩さんは話を聞く。
「ああ、疲れた。ご飯出来てる」
はい。用意しておきました。
「いつもありがとう。君には感謝してるよ」
何です?急に・・・
「ううん。何でも・・・」
時々出るこの言葉があるので、僕はここにいる。
その一言のため 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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