楽しい日々もつかの間

「さて、この地域の問題も大方片付いたかな」

 コーエンが私のおっぱいを揉みながら甘えてくる。

 コーエンは私の下着を脱がしはじめる。今私は生理中なのだ。そういう時はおっぱいオナニーで我慢してもらう。


「こっちのほうがいいときもある」

 おっぱい星人がなんのてらいもなく言う。


 しかし生理というものはなんとかならないかと思う。最初に生理になったときには慌てたものだ。


 頭痛がし、下っ腹に鈍痛がはしる。そしてあそこに布切れを詰める……侍女に言われるままに対処したが多い日は漏れる時もある。こんな面倒くさいことが毎月やってくるのか女は…と、少しだけげんなりしたのを覚えている。


 コーエンは長い口づけのあと、首筋に舌を這わせる。そして乳首を中心に螺旋状にキスをして目一杯期待をためると乳首に吸い付く。


「ああん!」

 生理中でも感じる事は感じる。ちゅうちゅう乳首を吸っている姿を見ると母性が目覚める。私は最近コーエンの子どもが欲しくなったのだ。


 私も私以外の美少女でおっぱいオナニーをしたいと思っていた。男の時は私もおっぱい星人だったのだから。しかし今は女のほうが気持ちいいのではないかと感じる。何度も波打つように感じるエクスタシー。女の喜びがそこにはあった。


 コーエンが果てた。部屋の隅の洗面所に行き陰部を洗っている。それが終わるとガウンを身に付けワインを二人分グラスにそそぎ、私に一つ手渡す。


「領地経営は面白い」

 コーエンが語り始める。

「難題が降りかかる。それを皆で協議する。そしてそれを実行する。上手く行けばよっしゃと思うし下手を打てばまた何かしら良い策を探す。一見簡単なようだが俺の判断一つで多くの人間の人生を左右する。俺は父上を小さなころから見ていたが何をするでもなく、側近とただしゃべっているようにしか見えなかった。父上と同じ立場になって始めてこれほどの事をやっていたのかと、その存在の大きさをまざまざと感じているところだ」


 私はワインを一口飲む。口の中に赤ワインのコクが広がる。


「今年も麦が豊作だったし、幸先のいい滑り出しだ。しばらく牛肉は干し肉をクワイラから輸入したものしか食えないがそれで我慢してくれ」

「よろしくってよ。三年後が楽しみですわ」


 ふと考える。今は幸せの絶頂にいるようだ。元にもどるチャンスが来たとしたら、私はすんなりとそれを受け入れるのであろうか。この世界に飛ばされて四ヶ月、向こうは大学受験の勉強の最後の追い込みに入っている頃だ。こちらの世界にとどまるのか、それもまだ覚悟ができていない。中途半端な心境である。


「そうだ!仕事も粗方片付いたし、新婚旅行としゃれこもう!西にホワントと言う港町がある。そこで一週間ほど休暇をとるんだ。たまには骨休みもしないといいまつりごともできない。そこでは新鮮な魚を生で食う習慣があって、これがめっぽう旨いらしい。どうだ?いい考えじゃないか?」

「それは嬉しゅうございます。温泉に入りとうございますわ」

「うちの浴場も温泉なんだがな。まいいや。温泉に入れる宿の手配を部下に命じておこう」


 こうして夜深くまで二人で語り合った。




 次の日から新しい衛兵の募集が始まった。定員は余裕を見て三十名。一日交代制なので、これでもまだ少ないくらいだ。今回は元騎士というくくりを取っ払っているので、二百人くらいが前庭に集まった。身長百八十センチメートル以上、体重百キロ以下。これを満たしているのが最低限の審査基準と掲示板には張り出しておいた。


 審査するのは剣の達人、スカッシュとウィルソンの両翼だ。聞けばなかなか腕のたつ人材は見つからないらしい。百人越えたところで二人の眼鏡に叶ったのはたった八人。三十人には程遠い。


「八人全員が元騎士だそうで騎士限定にすればよろしゅうございましたなあ、私も腕が重くなりました」

 スカッシュが弱音を吐く。


「そうか、ではそこで休んでいろ。俺が直に相手をしてやろう」


 コーエンが木剣を握る。そういえばコーエンが戦うところをじっくり見るのは初めてのことだ。先の戦争では敵に魅了をかけるのに精一杯でちらっとしか拝見していない。


 ウィルソンの方はドームに変わっている。正面玄関口を守る槍の使い手も数人欲しかったのだ。


 ガキッ、ガシャン!


 コーエンの方はまさに舞うが如しだった。足払いをし、倒れ込んだところを首筋に刃をむける。


「ま、まいった…」


「次!」


 ガッ、ガンガン、ガシャ!


 これもほぼ二、三手で決まる。しかしコーエンは合格を出した。修練をつめば伸びしろがあると見きわめたのだろう。


 審査は夕方まで続いた。計二十八人が出揃った。ギルに城暮らしを案内するように言うと、得意気に一行を一階詰所に案内していった。


「遅刻は厳禁、仮眠は四時間。守れなくば、即刻首とする!」

 ギルの声が遠くから聞こえる。私達は城内へと入って行った。




 四人の衛兵とヒーラーのクオークを連れて、晴れて新婚旅行の途についている。気候も申し分ない、絶好の行楽日和である。ひばりが大空でピヨピヨ鳴いている。とにかく全てが心地よい。


 今回は前で馬に乗っている一人、マークという若者に宿の手配から、予約、その他もろもろを頼んでみた。聡い若者ですべて一人でこなしてみせた。年はコーエンと同い年くらいで二十一、二ほど。将来五人衆も年をとっていくだろう。目利きのコーエンは、若い人材を育て上げようとさまざまな頼みごとを次第に若い世代に振るようになっている。


 宿場町で止まりながら四日目の夕方に、予約している宿に到着した。最上階のスイートルームが広い。そして内側のドアを開けると港町と海が見れる。二人ともいっぺんに気に入ってしまった。


 クオークと四人の衛兵達には二階の個室が用意されていた。別れる七人。晩御飯の前に一階にある温泉に入る。着替えを持ち着替える部屋に行くと、男と女の区別がない。嫌な予感が的中した。混浴だったのだ。


 タオルを胸に巻いて露天風呂に入っていくと、男達の視線がグサグサ突き刺さる。二、三人が争う如くプロポーズをしてくる。しまいには殴りあいのケンカを始めた。


 コーエンはそれを面白がって見ている。私はコーエンの近くに行くと、助けを求める。タオル一枚で胸を隠しているがほぼ素っ裸の状態だ。ケンカをしている男達にコーエンが釘をさす。

「悪いがこの女は俺の妻なんだ。ケンカを終わりにしてくれ」

 すると魔法が解けるが如く三人はばつの悪そうな顔をして、湯から上がる。


 私達も露天風呂から上がり体を洗う。さっぱりしたところで浴場から上がり下着を着る。用意されたバスローブを身に付け、コーエンが出てくるのを待った。


「風呂場で良かったよ。剣を持ってたらどえらい事になってたよ」

「コーエン様は若い女の裸は御覧になられて?」

 私が少しふてくされ気味に言うと

「なかったよ。みんなタオルで隠しやがる」

 まあ、改めて当たり前の事をいう。


「次は夕食だ。楽しみだな♪」

 コーエンが私の肩に手を置いてはしゃいでいる。


 スイートへ戻ると食堂に豪勢な盛り付けをされた料理の数々が。


「主よ……」

 コーエンがいつものように神に向かってお祈りをする。私もあわてて手をあわせる。


 刺身だ!しかもぶりだ!こんな異世界に来て刺身が食べられるとは、夢にも思わなかった。刺身だけ、三人前もおかわりした。怪訝な顔をされたがクオークが耳元で何か言うと途端に接客がよくなった。領主であることをばらしたのだろう。


 コーエンは三日ほどはほとんど寝て過ごした。よほど疲れがたまっていたのであろう。


 それからは近所の庭園を見に行ったり、芝居を見たり、森を馬で散策したりした。


 しかし、楽しい日々もつかの間。私達に試練が訪れようとしていた。

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