僕は
おむすびコロンブス
想い
「今日、なんか綺麗だね」
僕がそう言うと君は嬉しそうに
そう?
と笑ってくれる。
君の笑顔が好きだ。
優しい君は僕に怒ったことがなかった。
優しい君が好きだ。
好きな所を挙げたらきっと限りが無いのだろうと思うくらい些細な事から性格、表情、君の全てが好きだ。
人気者の君が僕と居ることで色々言われていたのは知っている。
「釣り合ってないよね。」「勿体ない。」
「評価が落ちるよ。」「可哀想。」
それでも君は笑って、僕に優しく手を差し伸べてくれた。
優しくて気遣いが出来てなんでも出来る君。
『すみません。少し宜しいですか?』
いけない。君といると時間を忘れてしまう。ついつい長居してしまうね。
はい。と返事をして僕は席を立つ。
すぐ戻ってくるからね。と声をかけて。
会社が終わって。雨が降っていて。
傘なんて持ってなくて。君は来てくれた。
『奥様の事ですが…』
何を言われても笑って流してくれた君はきっと僕と釣り合っていないのだろう。
『もう、目覚める可能性は低く…0に近いと思われます』
優しい君が僕を庇って交通事故にあった。
トラックの運転手の居眠り運転だそうだ。
最後まで君は優しかった。
そうですか。と返事をして席を立つ。
そしてまた君の隣に座る。
何時でも何処でも僕と釣り合わなかった君。
そんな君に今度は僕が手を差し伸べる。
手を握って、ここにいるよ。と話しかける。
『可能性を信じて待つらしい。』
『起きない事が信じられないのね。』
『素敵な奥様だったのね。』『可哀想に』
そして僕は今日も君に話しかける。
「僕は幸せだよ。今日も綺麗だね。」
君が居なければ僕の人生はモノクロのままだっただろう。君がいたからここまで来れたんだ。そして君はまだここにいる。
何をやっても、何があっても釣り合わなかった君。
ああ ━━━━━━━━━━━━━━...
「やっと釣り合ったね」
僕は おむすびコロンブス @kumanoko-ga-miteru
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