第42話 蔑まれて良い愛などあるものか
【BL注意】
苦手な方は、ご注意ください。
時刻は、再び遡り皆がホバーバイクで、それぞれの船へ向かった後、
ソニックは、自分の選んだ船へ乗り込み、甲板にいる敵兵を高速で倒して行った。
甲板の敵は、他の船の敵と同じ様なSFアーマーの兵士達でソニックを見るなり一斉にレーザーでソニックを攻撃した。だが、ソニックは弾幕の中を高速で走り弾を全て避けながら兵士達の心臓を一撃で貫いていき、あっという間に全ての兵士を片付けてしまった。
ソニックが、兵士達を一掃すると船橋から突如、スーツ姿の顔の良い好青年が飛び降りて来た。その男は、ソニックを見かけると優しく微笑むと、ソニックに向かって全力で走ってきた。
ソニックは、それに対し高速で駆け寄り、男の顔を右手で思い切り殴ろうとするが、なんと、男はソニックの動きを見切りソニックの拳を避け、ソニックの腹に思い切りパンチをくらわえた。
「うあッ!」
ソニックは、男のあまりにも強力なパンチに後方に吹き飛びと、男は懐から拳銃型のレーザー銃を取り出し、ソニックにレーザーを放った。ソニックは、急いで立ち上がり、それを避けると男に向かって武装から蒼い稲妻を放った。
男は、それに対し拳銃を弄り、携帯端末の様な形にすると、それからエネルギーシールドを発生させ稲妻を防いだ。
だが、ソニックはその間に男の背後まで高速で走り、腕を振動させ量子トンネル効果を利用し男の心臓を貫いた。
はずだった...
「はっ!
楽勝だぜ!」
ソニックは、そう言って男から離れると、男はソニックの方を向いて微笑み、ソニックに強力なパンチをくらわせた。
「ぐあッ!」
ソニックは、それに怯むと男は携帯端末を煌々と紅く輝く刃を持ったナイフに変えてソニックのこめかみに突き刺した。
だが、ソニックの武装はエネルギーを吸収する素材の為頭を強く打っただけで、即死はしなかった。ソニックは、急いで男から離れると男の周りをぐるぐると高速で駆け抜け、男を蒼い閃光の中に閉じ込めた。
男は、それに対しソニックの出方を待つと、ソニックは、不意に止まりさっきよりもかなり強力な稲妻を男の背後へ向かって打ち出した。
「死ねッ!」
男は、ソニックの行動を予測し携帯端末からエネルギーシールドを出そうとしたが、シールドが出来る前に稲妻が男を直撃し、男の体に強力な電流が流れた。
男は、全身が痙攣しその場に硬直すると、体から黒煙を出しながら膝を着いた。
すると、艦橋から黄金の粒子を球状に纏った少し冴えない見た目の男が飛び降り、ゆっくりと降りて男に駆け寄ると
「マルコム!
大丈夫かい?
ねえ、しっかりしてくれよ!」
男が、泣きそうになりながら、マルコムに駆け寄って抱き起こすと、黄金の粒子がマルコムに伝わりマルコムの体を治した。すると、マルコムは微笑んで
「大丈夫だよチューリング
君が僕を完璧にしてくれた
僕は、君がいれば無敵さ
だから、どうか泣かないで」
と、言ってチューリングの頬に右手を添え、チューリングを元気づけると、チューリングの手を取って立ち上がり、チューリングにキスをした。二人の男のキスシーンにソニックは唖然とし
「お前ら、大丈夫か?」
と、馬鹿にしたように尋ねた。
すると、チューリングはそんなソニックに怒り
「君も僕の愛を馬鹿にするんだね
やっと手にした無謬の愛を!
僕は、君みたいな奴のせいで生前散々な目にあった。だから、僕は、君を許さない!
さあ、頼むよマルコム
僕達の愛を貫く為に彼奴を倒してくれ」
と、言うとマルコムは、携帯端末をロングソードに変えると、ソニックに向かって構えた。
「ああ、そうだねチューリング
僕の為に祈ってくれ」
マルコムは、チューリングに向かってそう言い残し、高速でソニックとの距離を詰め、片膝を屈めてソニックの腹にロングソードを突き立てた。
ソニックは、それに対し金属製の鉤爪でロングソードを受け止め、片手でロングソードを掴むと、高速でロングソードを殴り続け、ロングソードをへし折った。
「何を持って来ても無駄だ!」
ソニックは、得意気にそう言うとマルコムとの距離を詰め、マルコムの顔面を思い切り殴りつけた。だが、マルコムはそれを予測しソニックの拳を頭突きで相殺した。
マルコムの頭突きでソニックの拳が砕けると、マルコムはソニックの首を掴みそのまま回転すると、遠心力を利用してソニックを空中に思い切り放り投げた。
「うああッ!
クソッ!」
ソニックは、空中で叫ぶと、マルコムは
「君の能力は、高速で走る能力だろう?
空中では君は加速出来ず無力だ
わかったかな?
これが、君を倒す論理的最善解だ!」
マルコムは、そう言うとロングソードを対物ライフル型のレーザー銃にするとソニックを狙った。
「これで、終わりだ!」
マルコムが放った大口径のレーザーがソニックを襲いソニックは、咄嗟に腕に付いたブレードを前に突き出す様に、ボクシングの
空中でレーザーに稲妻が衝突し相殺されると、ソニックは、少し安堵して落下した。だが、落下する先ではマルコムが、対物ライフルを
「だから、言っただろう?
論理的最善解だと!」
マルコムの槍がソニックに突き刺さりそうになると、ソニックは両腕を下に向かって伸ばした。マルコムは、それに対し
「掴もうとしても無駄だ!
チューリング!」
と、チューリングを呼ぶと、チューリングは、首にかけた聖遺物を掴み祈った。
「どうか、
我らの愛を認め、擁護してください
信念を貫け
チューリングが、聖遺物に祈るとマルコムの槍が黄金の輝きに包まれ、その穂先が樹木の枝のように幾つにも分かれた。
「どうだ!
これが、僕らの愛の力だ!
その偏見を悔いながら、清いと思い込んだ血を汚泥と混ぜて死んで行け!」
マルコムが、そう言うとソニックは、不敵に笑い
「はははっ
別に、誰がどう付き合おうと俺の知った事じゃ無いさ。もう、時代は変わったんだよ。
勝手に何処へでも行って生きれば良い、だがな、お前らは俺達を攻撃した。それは、お前らの罪だ。どんなに清い愛を持ってしても許容出来ない事象は、打ち砕かれる定めなんだ。大人しく死ね!」
ソニックは、そう言いながら腕を高速で回転させ、小さな竜巻を起こすと、それによって落下地点をずらして着地した。
「なんだと?
そんな馬鹿な事が!」
マルコムが、ソニックの突飛な行動に驚くと
「どんな事でもやってみる価値がある
だから、不可能だと思われた事が少しづつ可能になって行くんだ
お前らは、歴史の被害者だが、お前らの様な人間がいたから社会は少しずつその主張を受け入れ始めた。
そんな事は、止めろ!
もっと、幸福に生きられる!」
ソニックは、そう言って二人を説得した。
だが、それを聞いたチューリングは、笑ってマルコムの顔のマスクを剥がす様にマルコムに命じた。
「ははははは!
僕が、まだ幸福に生きられるって?
これを見ても本当にそう思えるか?
マルコム、本当の姿を見せてやれ」
狂気じみた笑みに、悲哀を醸し出しながらチューリングが、そう言うと、マルコムはベリベリと顔の皮を剥がし、アンドロイドの顔をソニックに見せた。ソニックは、それに驚くと、チューリングは
「ふははははッ!
見てくれよ!
神は、僕を辺獄に送ってくれたが、マルコムは連れて来てくれなかった。彼は早死にして歴史に名が残っていないからと
だから、僕は辺獄の技術で彼を作り上げた!彼を蘇らせたくて!
だけど、どんなに僕が完璧に作り上げようとしても、彼は戻って来ないんだ!
僕は、どうしたら良いんだよ!
もう、何をしても幸福には暮らせない!
だったら、泡沫の幻想を抱きながら死んで生きたい。愛する彼を思うながら眠りたい。そう思って僕は、地獄の主に強力してるんだ!
殺すなら、殺せ!
その為に、僕はここに来た!
あはははははははははははッ!」
チューリングは、箍が外れた様に自分の考えを言って狂った様に笑い続けた。ソニックは、それを見ると心底悲しそうに
「なあ、お前はそれで良いのか?
もう一度、マルコムに会いたくは無いのか?」
ソニックが、そう言うとチューリングは、激昴し
「会いたいさ!
だけど、会えないんだよ!
彼が何処にいるかもわからない!
地獄の主も、彼を見つけるのは不可能だと言っていた!もう、僕は死ぬしか無いんだよ!」
と、言うと、ソニックは、
「いや、そんな事は無い!
地獄の主が何と言おうと、俺達が死後、此処に存在する様にマルコムも何処かに存在する筈だ!だから、何年かかろうと俺達が一緒にマルコムを探し出して見せる!
俺達の神は、俺達の幸福の為にはどんな苦労も厭わない!だから、俺達と一緒に来い!
マルコムにもう一度会おう!」
と、熱弁すると、チューリングは
「で、でも僕は君を殺そうとした
そんな僕を煉獄の神許す訳...」
と、自分の行いを悔いながら言うと、ソニックは、
「許すさ
俺達は、全員殺しあった中だ
今更誰もそんな事気にしない!
だから、お前も諦めるな!」
ソニックは、チューリングを真っ直ぐ見ながらそう言うと、チューリングはそれに心を動かされ
「じゃ、じゃあ僕も煉獄の神の仲間にしてくれ。僕は、どんなに時間がかかっても、またマルコムと語り合いたい」
チューリングが、そう言って泣き出すと、ソニックは、チューリングを慰めながら、クリエイターに連絡した。
「どうした?」
と、クリエイターが、急な連絡で心配そうに尋ねると、ソニックは、
「辺獄の能力者が一人、俺達の仲間になった。彼の名は、」
と、ソニックが言いかけ泣き止み始めたチューリングに話させると
「煉獄の神よ
僕を許してくれますか?
僕は、アラン・チューリングです」
と、言うとクリエイターは、
「アラン・チューリングか、素晴らしい人材だ。君の罪を許そう。僕らの仲間になる以上、君の幸福が僕らを害さない限り僕は、君の幸福を保証する。君の望みはなんだ?」
と、クリエイターが、尋ねるとチューリングは、息を飲んで泣くのを止めると、力強く
「僕の望みは、もう一度愛する人に会うことです。それだけが、僕の望みです!」
と、応えた。すると、クリエイターは微笑んで
「なんだ、そんな事か、そんな事願わずとも叶えてやる。だから、安心してくれアラン・チューリング。
もう、大丈夫。僕が、君を幸福にする」
クリエイターが、優しくそう言うと、チューリングは、再び泣き出して
「うあっあぁぁん!
と、心からクリエイターに感謝した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます