第2話 始まった期待のスクールライフ
そうはいっても、俺は高校に入ってから完全に変われた訳でもない。昔に比べては大きく減量をしたが、世間一般ではまだデブにはいる部類だ。さすがに1ヶ月じゃ完全に変わりきるには厳しかった。
運命のクラス。俺は少しガヤつく1年3組の教室に大きく足を踏み入れ、見た感じ好みの女子はいない。
いや、まず好みの女子がいたとしても、女子と席が離れている時点で話せる機会なんてなかったのだろう。
(しかも1番前の席、最悪だ…。)
高校入学してから1週間が経ってもクラスの女子とは1度も話していない。俺はまず女子との話し方が分からないのかも知れない。女子の興味を引く話題とはなんだろうと必死に考えたが分からなかった。そもそも話す機会があるのかもわからないのにこんなことを考えても意味があるのだろうか。
結局、何も思いつかなかったが、ホームルームでの担任の話によると。そろそろ部活に入らないといけない頃らしい。この高校は多くの運動部が全国大会に出場するほどの強豪校らしく、文化部も何らかの結果を残している。そのためか、必ずどこかの部活には入部しないといけない。俺はどこの部活に入ろうか迷ったが、やはり1番の条件は女子がいること、しかし女子ばかりの部活だと女子になれてない俺には少し厳しかった。なので男女混合で男子と女子が同じくらいの割合の部活にしようと思っていた。その中でも見学に行った時とても魅力的だった俺にはピッタリの部活。和太鼓部。俺は目を輝かせて入部届けにそう書き込んだ。
部活初日、緊張しながら練習場に入るともう同級生が集まっていた。
(おっ!なかなかいいメンバーじゃないか?笑)
狙い道り男女の割合が丁度いい。これでひと安心だ。顧問の先生に促され、まず1年生はみんなの前で自己紹介。俺は大きな声でハキハキと自己紹介をした。
「僕の名前は、川上誠都です。よろしくお願いします」
と。
目の前で俺たちを見ている先輩は笑顔でとても輝いてみえた。先輩達は男女関係なく仲が良く俺の求めていた"The 青春"って感じだった。あとで知ったことだが、カップルも何組かあるらしい。
早速、和太鼓の練習が始まった。文化部だと思ってなめていたが、意外と体力も筋力も必要で思っていたよりもだいぶキツかった。でも和太鼓を叩いている時はとても楽しい。心の底から感じた。俺はより一層和太鼓部に入部をしてよかったと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます