こっちから書くべきだった…矯正治療のこと
入院中、あまりに辛かったのでいきなり痛々しいオペの話から始めてしまってドン引いた方も多いかと…。スミマセン。
久しぶりなんで一人称も口調も変わってますが、あの時はただただ辛くてしっちゃかめっちゃかでして。今読み返すとだいぶ恥ずかしい文章なんですけど…こっちが本来の私めでございます。
歯列矯正についてまず書くべきでしたよね。
矯正を迷ってる方ってたくさんいると思いますので、ほんとに今更ですが少しでも参考になれば。
私が通う某大学病院の矯正歯科外来はとっても混んでいます。
患者さんは小学校高学年〜20代前半の人が多くて、私のようなおばちゃんはあんまりいません。しかし主治医曰く、50代くらいまでは矯正治療ができるそうですよ。
男女比は半々くらいか、女性がやや多いか。
最初に詳細な問診票を書かされます。生活習慣にはじまり、今までの虫歯歴やら、親きょうだいの歯並びはどうか、矯正してる人はいるかとか。
重要な項目が、本人が治療に同意しているかどうか。
親御さんとしては、きれいな歯にしてやりたいですよね。歯並びは遺伝の因子が大きいので、私も今から自分の子のことは心配なんですが…。
しかし、治療には痛みを伴いますし、長い間通院しなければなりません。
その間に受験生になったり、好きな人ができたり、子供は色々変化ありますからね。治療を受けるメリットと受けないデメリットをきちんと話し合った上で始めるべきです。
そう、何を隠そうあたくし自身、一度矯正から逃亡してます。
あれは中1か中2だったと思う。当時はインフォームドコンセントという概念がまだあんまりなかったんだろうなあ。
中学生には何の説明もしてくれないわけですよ。で、歯が生え変わるのが遅い子だったのでね、何の告知もなくいきなり注射されて抜くわけですよ。
今は、注射を打つ箇所に使う貼り薬みたいな麻酔がありますけど、当時はそんなものはなく。
そりゃ嫌になるでしょ?結局一年ぐらいは頑張ったけど、もうこれ以上痛いのも怖いのも耐えられない!と自分で装置を外してしまいました。
もちろん20代になってから後悔しましたよ。でも中学生じゃそんな先のことなんて考えられるはずもなくね。ただ今この瞬間から逃れたい一心でした。
だからたとえ相手が反抗期の子供だろうと、首根っこを押さえつけてでも治療方法をきちんと説明し、本人のコンセンサスを得る必要があると思います。
1回2回で終わる治療ではありませんからね。
あくまで私の個人的な考えですがと前置きしたうえで、
◇治療するメリット
・口内炎がなくなった。
とにかく小さな口腔内に横綱級の歯が曲がって生えていたので、口の中のどこかに常に歯が当たっている状態。それだけでも口内炎が出来るし、加えて口の中を噛んでしまうので、たぶん年間300日くらいは口内炎と共に生活していたと思います。
歳を重ねるごとに治りづらくなったりして…。
今は1年通してゼロです。あの痛さから解放されたことは、それだけで矯正してよかったと思えるレベルです。
・やっぱり見た目は重要だと思う
若い頃にやってれば、もっと自分に自信持てたのかなーってね。
高2の時に海外ホームステイしたんですけど、そこでホストファミリーに言われたんですよ。どうして治さないのかって。逃亡したので答えられず…。
海外では矯正治療が日本よりずっとポピュラーだし、日本人からそういう風に言われることって無いじゃないですか。苦い経験でした。
自信持てたら、それだけで違う選択してたかもしれないし、人生変わると思うんですよ。
べ、別に今が不満ってわけじゃないけど?(おいこら)、どうなってたかなーとは思いますね。
◇治療のデメリット
・痛い。好きなものが食べられない
高校生といったら学校帰りにハンバーガー。(え?イマドキは違うって?)それがガブッとできないんですよ!
これは10代にとっては死活問題です。
装置が外れてしまうので、ガム、ソフトキャンディー、キャラメルは禁止です。私はリンゴにがっついたら外れたことがあります。
・見た目悪い
これも死活問題ですけど…どうにもできないんですが。
歯の裏側に装置をつける矯正もありますが、治療期間が倍くらいになるそうですし、適用にならないケースもあるみたいです。
あとワイヤーに食べたものが全て挟まるので、歯磨きが欠かせません。忙しくて磨く時間が無い時とか、外出先では、前歯に挟まってたらどうしようと不安になります。
ニラ、エノキは挟まる率ナンバーワンなので極力避けます。葉物野菜や肉も一度挟まると取れにくいです。
・治療期間のメドが立ちにくい
一体いつ終わるのか、歯が動いてみないことには分かりません。私もいつ終わるというのは未だ明確に聞かされていません。顎もそうなんですが、歯も元の位置に戻ろうとするので、いつまで固定していれば戻らなくなるのやら…。
その分費用もかかってきますしね。辛抱する側の心的負担もあります。
・歯が動くとワイヤーや装置が口の中に当たって痛い。噛んだりする。
とにかく煩わしいんですよ。今までなかったところに歯が来るわけですから、口の中を噛むんですよね。ほんの数ミリの世界ですが、口腔内からしたら劇的な変化なんでしょうね。
あーもう、全部外したらきっとスースーして、口の中ってこんなに広かったっけ?って思うんだろうなぁ。
さてさて、治療内容の話に戻りますと、矯正治療にもいろいろあって、部分的な矯正で済む人もいれば私のように超ガチな人もいます。
私の治療はCT画像診断と抜歯から始まりました。
既に書きましたが、私は手術中に抜いた親知らずも含めて合計8本抜いています。抜かない矯正治療もありますが、歯が入る土台は決まったスペースしかないのに、そこに無理に並べようとすると、歯が滑り落ちたり(!)というリスクがあるそうです。
リスクとベネフィットをきちんと説明してもらえたので、物理的に無理なものは入らないですからねと、中2の時と違い今度はすんなり納得できて、恐怖の抜歯も耐えました。いやほんと、オペより抜歯の方が数段怖いから…。
治療は、歯にブラケットと呼ばれる台座のようなものを接着し、そこにワイヤーを通して、細い針金で台座とワイヤーを結紮します。
このワイヤーには元に戻ろうとする性質があるので、その力で歯を動かしていきます。
ただ動かすだけでなく、歯を持ち上げたり、逆に埋め込んだり、ひねったりと三次元で調整していく、まさに職人技です。
これを中学生の頃に説明して見せてくれていたら、歯医者になりたいと思ったかも 笑
それにしても一から十までぜーんぶ医師の手作業。1回の診療で1時間以上かかることもあるし、保険診療の私が言うのもなんですけど、これは私費診療にしないと儲からないだろうなぁ。
そして歯の型取りをしたり、写真撮ったり画像撮ったりがやたら多いのは、大学病院なので仕方ないですね。身元不明の死体になっても、ここに照会すれば絶対大丈夫。
で、矯正は痛いです。(また痛い話で恐縮ですが)
初めてワイヤーを装着した時、その晩は痛くて眠れず、1週間は豆腐と果物生活です。
どんな痛みかというと…うーん、歯の一本一本に砂袋がぶら下がっていて、その状態でものすごい硬い氷を噛み砕かなきゃいけないみたいな。
ズキーン!ではないんですよ。じわーっと来る方。たまに鼓動に合わせて暴れることも。
歯と歯に力を加えようものなら、砂袋が2倍3倍に。
歯ぐきがかゆくなったり、歯がむずむずするのは動き出した証拠だそうです。
しかし、人間の体はすごいと思うのが、この痛みにも必ず慣れるんですね。1週間もすれば普通に食べられるようになります。
通院は月1回なので、慣れてしばらく経った頃。再度針金を縛り直して調整して「そうだったこの痛みだった…」と、この繰り返しです。
これが通常1年〜2年続きます。
ね、主治医との信頼関係無しには続かないでしょう?
1週間豆腐果物生活なのは一番最初だけです。その後は1日~3日くらいかな。
私は矯正生活4年以上のベテラン部類ですが、今でも「うわ久々に痛ったいわ。夕飯湯豆腐でいいかなぁ」という時もあります。
逆に「先生今日は本気で縛ってなくない?」という時もあります。
先生はもちろんいつも本気ですが、人の歯のコンディションというのはその時々みたいですよ。
体の外側から骨を動かすわけですから、地味にパンチのある治療法だわな。
費用は基本私費で、100万くらいと言われています。
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