魔王使いの砂理井さん
にある
第1話 本日のお仕事
「ねぇねぇ砂理井ちゃんさぁ」
「ちゃんづけはやめてくださいっていつも言っていますよね?殺しますよ。」
「いや魔王殺すってそんな、あ、これやれるね、やれるオーラだよね。」
「む、拘束儀装つけたままでしたね。」
「あ、これやるね、本気でやるきだね砂理井さん!!!」
カチャ、ドシン
「ところで魔王様。「拘束儀装はずしたよね!!!」本日のノルマは午前中にスラムの清掃、午後は貴族街での人生ゲームの普及ですので、さっさ掃除を終わらせないと間に合いませんよ。」
「あ、これ午前中にやらないとなのね。」
「はい。」
穢血色のマントに崩れた王冠、草臥れた漆黒のシャツにズボン、全種族の頭蓋骨をつなぎ合わせた杖。
といういつものスタイル(ここ数年着させていないが)ではなく、タオルを頭に巻いて茶色のツナギを着た魔王様はげんなりとした顔でため息をつく。
「いやね、砂理井ち、さんを信じていないわけではないんだけどね、だけどね?」
「はい。」
「これさ、世界征服、なのよね?少なくともつながってる?のよね?」
「はい。」
「この、理由とか聞いても?」
「この活動の理由はとてもとても深いのですが。」
「あっはい。」
「面倒なため、説明は省かせていただきます。」
「えっと、あの、」
「はい。」
「あ、これ何言ってもだめなや」
「手は休めない。」
「あっはい。」
こうして、
スラムの清掃中子供らに蹴られる。
絡んできたギャングの下っぱの小指を折る。
差し入れに来てくれたおばあちゃんにそっと健康促進魔術をかける。
ごみ処理に高火力魔術を使って衛兵とひと悶着。
しながらもなんとかノルマを終わらせ、新商品である
“貧民の苦労と権力者の持つべき道徳的・心理的判断がサブリミナル的に身に付く人生ゲーム”
の販売へ貴族街を向かう。
魔王 フンベルト·ノイシュヴァンシュタインは世界征服の為に。
魔王秘書 砂理井はこの世界中に夢と笑いをふりまくために。
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