ベッドの下段。

布団は膨らみ、中の人間が呼吸をしているのか、わずかに浮き沈みを繰り返す。

修はゆっくりと階段を降りると、妹の勉強机を見た。

机の上は妹が死んでからそのままになっている。

小学一年生の教科書、夏休みの宿題、絵日記帳。

開かれたラジオ体操のカード…押されたハンコは8月3日で止まっている。

妹がトラックでひかれてから、ハンコはそれ以上押されることはない。

それは、事故にあったから、いや、彼女が死んだから…。

修は布団を見る。わずかに動く布団を見る。

頭から人がすっぽりと入ったような布団。

中に、誰がいるのかわからない布団。

そこにいるのは、妹か…それとも…。

修は布団にゆっくりと手を伸ばし、そして…

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