夏目漱石の英詩②(no date)

 僕は一人、部屋の中にいる

 コオロギだけが鳴いている

 ともしびがまどろんでいる

 コオロギだけが鳴いている


 暗がりの中のかすかな喜び

 それはコオロギの鳴き声

 何もないけど心は明るい

 そばにはコオロギの鳴き声


 だんだんと心は消えてゆく

 部屋にはただ、コオロギの鳴き声

 コオロギだけが鳴いている

 ちんちろりん ちんちろりん


 

  注)一応それっぽくなりましたが、かなり強引です。下は原文。


 Lonely I sit in my lonesome chamber

 And cricket chirps.

 My lamp lies lonely half in slumber

 And cricket chirps.


 Soul, in dim conscious delight

 In cricket chirps,

 Lost and forlorn, forlorn and bright

 With cricket chirps.


 Is it my soul or only cricket

 That chirps so lonely in my chamber?

 Still cricket chirps,

 Chirping

 Chin-chi-ro-rin.

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る