言の葉の翻訳ノート

長門拓

夏目漱石の英詩(November 27,1903)

 僕は君を見ていた

 君は僕を見ていた

 僕らは暫くそうしていた

 僕らは世界の果てにいた


 離れることが運命だった

 僕は暫くまどろんでいた

 花の香りが豊かすぎた

 僕は世界の果てにいた


 世界の果ての全ての物は

 世界の終わりを夢見ているのに

 世界はそれを許さなかった

 世界は絶えず動いていた


  注)かなり意訳が入ってます。下に、漱石の元詩を載せておきます。


 I looked at her as she looked at me:

 We looked and stood a moment,

 Between Life and Dream.


 We never met since:

 Yet oft I stand

 In the primrose path

 Where Life meets Dream.


 On that Life could

 Melt into Dream,

 Instead of Dream

 Is constantly

 Chased away by Life!


 引用:漱石全集第23巻「詩歌俳句附印譜」岩波新書版13頁 岩波書店


 

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