異世界コンビニ(ヤンキーと愉快な仲間たち)

森野熊燦

第1話 エロフ降臨

語り部はダ女神、え!?ダ女神!?

ちょっとぉー作者!女神のまえにダがついてるんですけどぉー!

誤字脱字やめてもらえますかぁー、印刷ミスなの?ばかなの?

そりゃーたまにちょっとかわいいらしいミスしたりもしますけどー、ダ女神はひどくないですかー?

てゆーか私ちゃんと名前あるんですけどー!

自己紹介ぐらいさせなさいよ!

えーと、私の名前わぁ


ブツッ(暗転)



とある田舎のコンビニ事情


はっきりいってド田舎の深夜のコンビニなんて客は来ない、ジジババはお家でグッスリだ、たまに永眠してたり、永眠しようとしたけど忘れ物した気がして戻ってきたりする老人もいる。

うんそう老人しかいない。


このド田舎の個人経営のコンビニの名前はアナザーワールド、AWを〇で囲ったダサいデザイン、うん名前からしてもう終わってるよね!


でも結構古くからあるコンビニで、3代目アラサー美人店長のおじいさんが始めた、当時は最新のコンビニエンスストアーだった。

田舎のコンビニはなんでもおいてある、小さなスーパーのようなものね。


ここではだいたい3:00ぐらいまでに昼間売れた商品を搬入してくるトラックは積み荷おろして他のコンビニに向かってしまうから、搬入の作業以外は朝仕事に行く数名の客の相手をするぐらいしか仕事はないからうちで手伝わない?

そう巨乳の店長に言われてしぶしぶ店で働くことになった少年がいた。

ってかあいつ絶対店長の巨乳目当てだ。




「あー!搬入めんどくせー、ファック!ユーチューブみっか?」


働けよおい!


「ダメだ!エロ本コーナーだけはなんどきも抜かりなくしておかねーとな!」


まって、まって、おねがいだからアイス先に冷凍していただけませんかね?


金髪ピアス、釣り目、中肉中背、ロードオブザ煩悩、トラックヤローの息子、16歳

こいつの名前は


牧之原虎幸運

(まきのはらとらっく)


うんもう名前からしてクソだね!

名前もDQNだけど、本人も純度100%のDQN

人生なるようになるさ!

社会のルールや法律なんてくそくらえ!

今が楽しきゃそれでよし!

ばかなの!?

あ、正真正銘のバカでした。

唯一褒められるところと言ったら、わりと人情味はあるやつかな?


「あーエロイ!おっぱいエロイ!ヤベーなこの新人AV女優、たまんねー!」


あーあ、4:00になっちゃったよ、実はね、わたし以前に時空の計算ミスしちゃてここのコンビニの扉と異世界がつながっちゃったんだよねー、もう治すとよけい大惨事になりそうだから、そのまま50年くらい放置してあるんだけどねー、店長のおじいちゃんもお父さんもなんかうまいことやってたからいいよね?

でもなぜかお父さんの時は数回しかつながらなかったから、今回も大丈夫なんじゃないかな?


「んだよ!客来んじゃん!?しゃっせー!」


えっ!?


「お、ガイジン!はじめてみた、ホント目青くて耳なげー、パネェ!」


あっちゃーさっそくエルフ来ちゃったよ!

ってかこいつエルフが異世界人てきづいてないの?ラッキー!


「な、なんだこの昼間のような明るさは?ライトニングの魔法でもこのような、すべてのものを均一に照らすような調光はできんぞ!?」


店内を物珍しそうにみまわし徘徊するエルフ、冷凍食品棚売り場にたどり着く。


「馬鹿な!?これは、コールドの魔法で食品を冷凍し続けているということなのか?それに真夏だというのにこの部屋の涼しさ、やはりコールド系の魔法であろう、だが店には1人分の気配しかない。

まさか、あの民度の低そうな店主にそんな膨大な魔法力が!?」


この老人400年ぐらい生きてるみたいだけど、クーラーも冷蔵庫も知らないなんて、エルフも大したことないわねー


「これ店主よ!?この魔法陣の魔法式を見せては貰えまいか?」


「ティーッス!は!?魔法陣?


あぁ、くじ引きの景品ね!?700円っす!」


コンビニくじの魔法陣にそんな力あるかーい!


「うむ、やはりタダではみせてくれんか、しかし700円とは?この国の通貨のレートはわからぬ、金貨1枚ではどうだ?」


エルフはズシリと重い金貨をレジのカウンターに置く。


「ちょっとジイチャン!人生ゲームじゃないいんだからさ!?いくらガイジンさんでもカネもらわないとさー、店長に怒られちゃうじゃん?」


は!?ゲーム?金貨なんですけどそれ!本物の金貨なんですけどー


「うむ、やはりこれだけ高度な術式、金貨1枚では売れぬか、いや、すまん分かっておった。では金貨5枚ではどうだ?」


ゴトリと金貨が5枚並べられる。


「あ?わかったわかった!そんなにほしいなら俺が買ってやっからさー、国の子供の土産にすんだろ?」


レジに自分の財布から出した700円を入れ、コンビニくじの景品の魔法陣を渡す虎


「ほらよ、もってけ、ガキの喜ぶ顔考えりゃ安いもんだ、さっさとそのおもちゃのカネしまいな」


純金の金貨なのに!その大きさだと売れば軽く1枚20万はいのに!ばかなの?


「おぉ!よもやこのような高度な技術をタダで提供してくださるとは、かたじけない、ありがたくちょうだいするとしよう。だがせめて金貨1枚はもらってくれ、

ワシの沽にかかわる。」


深々とお辞儀をし、金貨1枚を残し残りを回収するエルフ。

ナイスエルフ!

え!?ステータス確認したらこのエルフ最高司祭じゃん!?聖人じゃん!?

人族を侮蔑するエルフの最高司祭がDQNに頭下げちゃったよ!?


「しかしこの魔法具店はすばらしい!ほかにもいろいろと拝見させてくれたまえ。」


「うぃー、ごゆっくりー、ティックトックみよ。」


エルフはレジ前を離れ、なにやらみたこともないアイテムが並ぶ棚を通り、店内奥のふんだんに使われた高級なガラス扉に感心し、その中もコールドの魔法を使い飲料を常に冷えた状態に保っている店主の魔力量に感服し、右にまがる。


そしてトイレの前にある成人雑誌コーナーに立ち止まる。


「な!?なんだこのけしからん絵画集は!これだけ高度な魔法文明をもつ国の魔法具屋にこのような低俗な絵画集が置いてあるとは・・・」


あーみつかっちゃたよー、

聖人に成人雑誌みつかっちゃったよー

焚書坑儒されちゃうよー、いやされちゃえばいいよ。


「すばらしい!!」


え!?


「これはわが国の印刷魔法技術をはるかに凌駕する、素晴らしい技術だ!

なんという質感、ここまでくると紙ではないみたいだ!

まるで、この美しい裸のご婦人が四角い小窓の向こう側からワシに微笑みかけているようではないか!!」


「お!ガイジンさんも好きだねーおっぱい!?OPPAIわかる?」


「そうか、これはOPPAIという印刷魔法ギルドが発行している春画集なのだな!?このOPPAIを各冊いただいていこうではないか。

金貨はいくらでも出すぞ!!」


「オーケーオーケー!OPPAIいっぱいねー」


といって虎は親指を中指と人差し指の間に突っ込んで握りこみウインクする


「おおありがたい、すまん!」


老エルフも満面の笑みで親指を中指と人差し指の間に突っ込んで握りこみウインクしたが、両目をつぶっていた。


ウインクへたくそか!

ってかなに教えてんのよ!


「い、いちおう言っておくが店主、ワシはもちろん貴国の印刷魔法技術の研究のためにだな、」

「わーってる、わーってる!漢はそれ以上言う必要はねぇ!」


虎はかぶせ気味にエルフの言葉を手のひらで制し、覚悟を決めたようにマジな顔をしてこう言った。


「エロは漢の生きがい、そうだろ!?もってきな!

店長には俺が眠っちまって、盗まれちまったことにして怒られてやっからよ!

ニッポンのゲキマブなネーチャンを世界に広めてやってくれ!」


「おお!なんと立派な姿であるか!このような若者実に久しく見ておらん、わしは感激した!かたじけない。だがせめて、ほんの気持ちだが金貨5枚はおいていかせてくれ!」


老エルフは虎の手を金貨とともに両手でがっしりと握りこみ肩を奮わせた。


「おう、またおもちゃのカネか、近所のカナちゃん来たらくれてやっからもらっとくか」


こうして後の常連客となるエルフの最高司祭である聖人は、

毎月出版されるエロ本の新刊購入をたのしみにやってくる性人エロフとなった。





ってアホかっ!!

女神になんてもん読ませてんのよっ!


1話 終




「あ、ガイジンさんジジイだからVHL・・・VHSだっけか?

DVDもってねーだろ?円盤は俺がもらっとくか!

あ、ヤッベ防犯カメラ切っとかねーと・・・」


1話 完

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