第6話

しばらくすると、黒い世界に光が減った。

黒い世界に色が減った。

光が欲しい。色が欲しい。

私をここに連れてきてくれた人にそう頼もうと思い、彼を訪ねた。

彼は誰かと話していた。

彼の前には人が立っていた。

いつか見た奇妙な顔の、奇妙な体の…。

彼は私を押しのけ、その奇妙な人形とどこかへ行ってしまった。


その間も黒い世界の光も色も減っていく。

どんどんと光や色は減ってゆき、

遂にはただただ黒い世界となった。

その中で僅かな光を見つけた。

そこに向かって無我夢中で走った。

上手く走ることができず、何度も転んだが、這うようにして走り続けた。

光が欲しい。色が欲しい。

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