第6話
しばらくすると、黒い世界に光が減った。
黒い世界に色が減った。
光が欲しい。色が欲しい。
私をここに連れてきてくれた人にそう頼もうと思い、彼を訪ねた。
彼は誰かと話していた。
彼の前には人が立っていた。
いつか見た奇妙な顔の、奇妙な体の…。
彼は私を押しのけ、その奇妙な人形とどこかへ行ってしまった。
その間も黒い世界の光も色も減っていく。
どんどんと光や色は減ってゆき、
遂にはただただ黒い世界となった。
その中で僅かな光を見つけた。
そこに向かって無我夢中で走った。
上手く走ることができず、何度も転んだが、這うようにして走り続けた。
光が欲しい。色が欲しい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます