第80話 なにこれ可愛い

「ふあー、良い朝だあ」


 三人は仲良くあっちのベッドで寝ていたと思われるので俺は一人でぐっすりと休むことが出来た。流石に二日連続であの回数は人間的に無理な気がするんだ。


 よくハーレムものとかで毎日何十回とかやってるとか見るけど体力やばいって言うか魔法の力すごいって言うか楽しみ過ぎって言うか。


 めちゃくちゃ楽しいけど無理やり回復しながらやるの結構怖くて適度に致して行こうと俺は心に決めました。無理、ダメ、絶対。


 あとあれだ、病み付きになりすぎて他の事何も考えられなくなるから少し自制しておかないとマジで人間としてダメになる予感しかない。みんな可愛すぎるから普通に考えて毎日でも出来るんだよ。寝れば回復するし。


 でもそうするといろんなところに支障が出るのでやっぱ自制。うん、楽しみは少しずつ堪能していくのが良いと言うことにして我慢しよう。


 久々の一人での目覚めを堪能しているとノックの音聴こえてきた。返事をすると扉が開かれクロエが部屋の中に入ってくる。


「キミヒト……あれの相手よく一人で出来たわね……」


 なんか若干疲れてる感。この前も二人でフラフィーいじって百合百合してませんでしたっけ?


「よしよし、こっちで休んで行こうな」


「そういう甘えるポジションは……いえ、そうね、二人きりだしお言葉に甘えるわ」


 おうふ、クロエに甘えられるといろんなものが満たされるからとてもやばい。クロエはみんなの前だと最近は余裕ぶってるのか遠慮してるのかわからないけど口数もスキンシップも減ってきてるからな。


 もっとめちゃくちゃ構いたいけどフラフィーとイリスが猛攻仕掛けてくるしあんまりクロエに構ってやれてない。今はこの幸せを噛みしめてまったりさせてもらいましょうかね。


 というわけでベッドに足を投げ出した俺の間にクロエをはさみ、後ろから抱きしめるスタイルで頭を撫でていく。


「可愛いなクロエは。三人で何してたんだ?」


「ふふ、甘えさせてくれるんでしょう? あっちでは大変なことになってたから逃げてきちゃった」


 ちょっといたずらしたような感じで微笑むクロエに俺の心は満たされていく。こういうのだよ俺が望んでいた癒しっていうのはさ!


 フラフィーの頭撫でてアニマルセラピーを考えた時期もあったけど手を出してしまった以上あいつはきっと俺を襲うに違いない。変な雰囲気にならないように微妙なスキンシップを取ることにしよう。近いと包丁も怖いし。


 そういや部屋に包丁全部置きっぱなしだったな……大丈夫だろうか。


「フラフィーはスイッチ入るとやばかったからな……もしかして発情してたか?」


「ええ……『キミヒトさんは私と二けた以上しました! だから私が一番です!』とか生意気言うから血を吸って本気で発情させたら手におえなかったわ。私とイリスでなんとかしたけどもう絶対やらない」


 なんてこったい。前回の百合百合は抑えめだったのか、それとも時間が経ってたからそこまで効き目が強くなかったとかだろうか。


 そして今回は全力出させていじっていたら逆襲されてしまったと。良いじゃないですか強気なロリが逆襲されて弱気になっていくの。そういう百合展開大好きですよ僕は!


 決して混ざらないのでぜひ見学させてほしいです。


「ねぇキミヒト、ほんとに二けた以上したの?」


 ……なんだろう、謎のプレッシャーを感じる。


「うん、まぁ……」


「へぇ、私とするよりもフラフィーの方がよかったのかしら?」


 可愛い拗ねてる。なんか太もも指で触って撫でてきてるし一日休んだから俺もだいぶ回復してるし朝だから性欲がかなり高まってるしなんかもういろいろやばい。


「フラフィーとするときは洗脳解くまでしなきゃいけなかったからな……。無理やり不屈のスキルでがんばったんだよ、正直めちゃくちゃ疲れた。おかげで目が覚めたの今だからな」


 そう、いくらなんでも昼過ぎから寝て起きるの次の日の朝とかどうかしてるくらい疲れてた。正直ダンジョン行ってる間も結構眠気と戦っていたくらいだ。


 ん……? 俺がこの時間に起きてクロエがこっちに来たってことはもしかしてこの子らも今まで……? あ、とても素敵です。


「なるほどね。途中でキミヒトが混ざってくるんじゃないかって期待してたんだけど来なかったから逆に驚いたわ。確かにあれを相手にすると疲れるわよね。でも、次するときは私にもいっぱいしてね?」


「今からしちゃうかああああああ!?」


 ウインクしながらそのセリフは卑怯。可愛すぎるし卑怯すぎるし上目使いでそれだし体触れ合ってるから理性が吹っ飛ぶ。お互いに顔を近づけて唇が触れ合うかどうかのタイミングで扉が開かれた。


「おねえちゃん、ぬけがけ」


 扉を開けたのはイリスだった。もしフラフィーだったらそのままキスして見えないふりしていちゃいちゃ続行していたけどイリスだったらちゃんと可愛がるわ。


「イリスもこっちおいで」


「うん、いく」


 イリスが混ざったことによりクロエは足の間から俺の横に移動し、イリスと二人で俺を挟む形になった。足の間のぬくもりがなくなったけどロリに挟まれてる幸せ空間が形成されたのでテンションが上がりまくる。


 ただ、性欲のたぎりが全く消えないのが困りものだが。


「イリスも逃げてきたのか?」


 ロリ成分を過剰摂取して性欲よりも安心感とか安堵感を強く感じるように意識する。しっかしこいつら可愛すぎるんだけど俺どうにかなっちまうぜこれ。もう三人でこのままどっかに家買って暮らしたい。


「うん。とりあえずベッドに縛り付けてきた」


「そうか、偉いなイリスは」


「えへへ……」


 俺とクロエでイリスを甘やかす。うーんとても平和なやりとりで心が落ち着いてくる。性欲もあるにはあるけど二人を可愛がっている方がいいんじゃないかと思えるようになってきた。


 これなら大丈夫だな。


「キミヒト、ちゅーして?」


 これはダメだな。


「キスしたら俺スイッチ入るけどそれでもいいなら」


「んー、お姉ちゃんと三人ならいいかな」


「ふふ、イリスと一緒に出来るなんてね。お姉ちゃん嬉しいわ」


 積極的に俺に抱き着き、キスをねだってくるロリ。我慢できるわけないよね。というわけで俺もイリスをよしよししながらこちらに少しずつ引き寄せていく。


 イリスとするのは初めてなのと、クロエに見られている緊張感からドキドキが止まりません。ああ、やっぱ姉妹だけどよく見ると少し違うところもあるよなとかそんなことを考えてしまう。


 唇が触れるかどうかという瞬間に扉が叩かれた。


「私だけ置いてくなんてひどいですよ! 鍵かかってますし開けてください! いるのはわかってるんですよ!」


 どうやらイリスはしっかり鍵をかけていたらしい。この分だとクロエがカギをかけなかったのはイリスが来るとわかってたからの可能性が非常に高いな。


 ものすごくお楽しみが始まりそうだったのにフラフィーが邪魔をしてきたのでイリスのおでこにかるく唇を押し当てるにとどめておく。


 流石に扉叩かれてるところで口にするとかムードもへったくれも何もない。恨みはフラフィーで晴らせば問題ないだろう。


「あの子は放っておいても騒がしいわね」


「巨乳、ゆるすまじ」


 途中でおあずけを食らったイリスはとても不服そうにしながら俺の胸に顔をうずめてつぶやいた。なにこれ可愛い。

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