世界から抜け出したい

世界から抜け出したい

「ここは……」

　僕は不思議な世界にいた。真っ白な世界だ。でも、所々に黒い物体がある。固そうだ。でも、それ以外何もない、いかにも寂しい世界だった。

「どうすればここから出られるのだろう……」

　とりあえず歩いてみた。

「「

　こんなものを拾ったので試しにあれをやってみる。あれはあれだよ、ダウジングでしたっけ？ 探し物のやつ。あれをしてみました。適当にダウジングしていたら今度はもっとおかしなものを見つけました。

　。

　白い小さな球でした。そして、それに触れた瞬間何かが終わる恐怖を感じた僕は慌ててそれから離れました。でも、心が叫んでいるのです。それがなくちゃここから出れないぞ？ って。だから触りました、ポケットにしまいました。一体この球はどちらの球なのでしょう、ポケットの中にある方なのかな？？ それとも本当に世界を終わらす存在の方なのでしょうか？？

　しばらく歩くと変な書物を見つけました、白黒です。と言っても、先程から白の世界の中に黒の物体がちらほらと置いてあるだけなので、白黒なのは当然であり、別に驚きもしませんでした。そしてそこには、この異世界から抜け出す方法が記されていたのです。

「一人を犠牲にせよ。こことは違う世界、つまりこの世界の外の世界で、あなたを一番見ている人間を、犠牲にするのです。白い小さな球を、全てを終わらすために違和感なき場所に置いた後も、あなたが自由に動けたのなら、それは絶好のチャンス。慌てて駆け出してその枠を越えなさい、その代わりその人間をこの世界へ引っ張ってやるのです」

　難しいことが書いてありました。しかし僕はすぐ察しました だから行動しました。

　動き出さないとダメだ と声に出しまして。

　あれ？ それにしても少し世界がおかしいなあ……そっか、ここにさっき拾ったやつが当てはまるのか。僕はついでに白い小さな球以外の物体も、そこに置きました。

　＊ ＊

　難しいことが書いてありました。しかし僕はすぐ察しました。だから行動しました。

「動き出さないとダメだ」と声に出しまして。

　＊ ＊

　まだ僕は自由に動けました。だから慌ててその枠に触れました。

　ガシッっ！！！

　👋 😔 🤚

　悲しいお知らせですが、一番僕を見ていたあなた。あなたと交換させてもらいます。僕はもう嫌なんです。この白黒の世界が、文字しかない小説の世界が。だから……あなたをこちらに引っ張って僕がそちらへ行きます。ほら見てください、ちょっと枠を越えただけで僕にも色がつきましたよ？？ ああ、嬉しい。そしてさよならです、あなた様の幸せを心から願っています……。