第1話 歯車が燃える時

運命とか…良くは分からないけど先の日に立つ私は運命を左右されているのかもしれない。だけどそれは自分が受け入れたこと。だって私は、



―「魔法少女」となってしまったのだから―



魔法少女の名の元に




「英里華ちゃん!今日もお疲れさま!」

「うん!お疲れー!」

私は天野英里華。中学1年生の13歳。特にこれといって得意なこととかあまり無いけど、ごく普通の生活を送っているつもり…だったんだけどね。

「ん~…今日も掃除当番終わった~」

少し背伸びをして眠気を覚ます。かれこれ午後の授業から眠くなっていたところだったし。

「じゃ、帰るか。」


ー帰り道ー


帰宅途中にあるパン屋から焼き立てのような甘い香りが漂う。当然そんな匂いを嗅げばお腹も空く。

「はぁ~やっぱここのパン屋はいつもお腹を空かせてくれ……んっ?何あれ?」

パン屋の前のポストの付近に赤く光るものが見える。近くに寄って見てみると何だか宝石のようなものだった。

「宝石…にしては少し大きいような…」

普通、宝石といえば何ミリとかの小さいやつを思い浮かべるが、何故かこの宝石は明らかに縦に長めの手のひらサイズ。

「まぁ偶然だからラッキーということで。」

ラッキーというだけで拾ったこの宝石。これが私の歯車を動かす動力になることを今の私は知らなかった…


ーその夜ー


自宅の自分の部屋で帰り道に拾ったこの不思議な宝石を眺めた。赤いこの宝石は見れば見るほど吸い込まれそうな輝きを放っていた。

「あれ…穴…?」

拾った時にこんな穴あったかは忘れたが、確かに宝石の中心部分にまるで鍵穴のような穴が綺麗に空いていた。

「気づいてしまったようだね。」

ビックリして後ろを振り向くと、フードを深く被った少年が立っていた。

「誰!?というかどうやって部屋に!?」

「部屋に入ってしまったことは謝るよ。ただ、君はその「マジックダイヤ」を拾ってしまったが運命…君は運命を受け入れなければならないんだ。」

運命とか…そんなこといきなり言われても何がなんだか…

「その…運命とかいきなり何…?」

「簡単に言うと、君は変身能力を得た。君は魔法少女になれたんだ。」

「ま、魔法少女ぉ~!?」

魔法少女ってあれだよね…変身して何か悪いやつと戦うとか何だかのやつだよね…

「魔法少女になっても大丈夫。いざとなればボクが守るから。君は安心してこの街に出現する魔獣を思う存分やっていいよ。」

「魔獣…?」

「そう。今この街では近頃魔獣と呼ばれる化け物が現れるようになってね…ボクは魔獣を倒すためにそのマジックダイヤを作って魔法少女となる少女を探していたんだ。」

まだ状況が飲み込めてない中、いきなり魔獣だとか…もう訳が分からないよ…

「魔法少女の変身にはこの「解放の鍵」が必要になる。これをダイヤの穴にさして変身するんだ。」

そう言うと、彼は金色の鍵を私に渡した。

「これで本当に変身できるの?」

「本当さ。やってごらん。」

言われたからには少し怖いけどやるしかない。おそるおそる鍵を宝石にさして回す…

ガチャン。

『ダイヤブレーイク!!』

「えっ!?何この音!?」

シュルル…

『ブレイズ…!!』

シュン…

「……ほ、本当に変身した……」

赤い配色の衣装に包まれ、姿を変えた私の姿は本当に魔法少女然とした姿だった。

「じゃあ行こうか。今日も魔獣が出現したまみたいだし。」

「えっ…ちょ、ちょっと!まだ何も分かってないんだけどーーーー!!」

そんな叫びも虚しく、私と謎の少年は闇の中に消えてしまった……

続く。


次回予告

「な、何なの…あれ…」

「見ての通りさ。」


「また新しい魔法少女?…本当にここは涌き出るわね…」


次回「魔法少女チーム」


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