第9話 リアル:作者の宣誓

○鈴とふな子は年齢が離れていてリアルでの接点はないが、ウェブ上では知り合いである。


○縣恭介は二人の共通の知人であるが、さほど親しいわけではない。(自己申告)


○ふな子は本来、純文学を指向している。


○鈴は、異世界を舞台としたミステリーには否定的である。


○両方の作品で、意図的に出題部分の異世界パートは同じになっている。


○二人の実力差は今回、問題に含まれない。


○二人の作品の差は、ふな子の原稿には現代パートが付け足され、額縁小説になっている点のみである。


○額縁の形態を取らねばならない理由は、ミステリマニアである鈴も承知しているはずである。(ただし、鈴は広義のミステリーマニアであり本格志向ではない)


○鈴の在籍するミステリ研究会は二つである。表はまっとうなサークル、裏は巨視的トンネル効果をこよなく愛する変人の集いである。


○鈴はこの作品をウェブで行われるコンテストに参加させるつもりである。


○ふな子はこの作品を公募に出すとは告げておらず、感想も求めていない。


○ふな子は、二人が同じ作品を持っていることを知っている。


○作品の同一部分の文章は、どちらが書いたものか一見では判別出来ない。




問い:どちらが、どういう理由で作品の形態を変更したのか?

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