【推理】原稿×魔法×ミステリ
柿木まめ太
第1話 リアル:某喫茶店内部
「魔法×ミステリ?」
今日も今日とて、川端通りの某喫茶店では定例会と称してミステリ研の連中が屯している。今、話題の中心に居るのは憂い顔の美女で、大学のミスコン三位経験がある秦野鈴という女子大生だった。通称はすずにゃん。
「カクヨムではしょっちゅうなにがしかのコンテストが開催されてるんだけど、あたし、ウェブ小説は読むだけの人だから参加とか考えたことはなかったの。」
彼女は小説家志望を公言しており、会の者たちもそれは承知している。ミステリー系の公募に絞っており、ラノベには興味がないとも宣言していた。それゆえ、何かバツが悪そうな困り顔で彼女は皆の反応を窺っている。
「それがどうしてまた?」
言い渋っている彼女にミステリ研の会長、坂井が水を差し向けた。強気で公言していた手前、今さらラノベ主体の賞レースに参加するとは言い出しづらいのだろうと思ってのことだ。異世界や魔法とミステリでは水と油ではないか、と豪語していたくらいだ、どういう風の吹き回しだかと周囲では取られていた。
「ううん……。ほんと、参加とかは思ってなかったんだけど、ネタが出来ちゃったのよねぇ。閃いたっていうの?」
言い訳がましい言葉をなおも付け足しながら、彼女はようやく本題の話を始めた。
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