狐びより

もってぃ

プロローグ

序幕


「わたし、コウちゃんのお嫁さんになってあげる」


 白い着物の女の子が云った。

 あれ? 誰だっけ……。

 よく知っているはずなのに……。

 知ってたはずなんだ……。


 そう云われて、はにかんだ笑みを浮かべる着物の男の子は俺だ……。

 あ、いや……、俺じゃないのか……、

 いや、俺だっけ……?


 ──ああくそ。夢が醒める……。


 最近、またこの夢を見る様になった……。

 この夢をよく見る。


 なんだろう……。

 懐かしいのに……、俺は、何も覚えていない……。



 夢が醒めた。


 あれ…、夢を見てた…けど……なんだったっけ……。



 ──いつもこんな感じだ。

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