第6話 something

こんなに愛しているんだ。

色鉛筆は何色も必要ない。

ハサミは錆びてて構わないよ。

 最近の君の仕草からは未来が見て取れる。僕は君を手放したくないけど、精一杯強がるよ。

 今となっては美しい未来は全てフィクションに成ってしまった。僕の足元には使われない画材道具が転がる。

 サンディー君は今どんな気分だい?新しい作品は書けそうかい?

僕は朝、下らない朝刊を破り捨てたよ。

君は破り捨てられた朝刊を拾いい集めて、「適当に文章を繋ぎ合わせても、芸術に成るんでしょうね」といったね。

そうだねきっと、誰かは芸術だと思うだろう、そして誰かは再び破り捨てるだろう。

僕らの愛が滲んだコーヒーに破り捨てられた朝刊と一緒に混ぜられても、誰かに滑稽話にされても、少なくとも僕らは、あの頃"反骨ノ抵抗者"だったね。

 僕は誇りに思っているんだよ、本当にね。

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