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目次
第9話
今 目の前に見えている現象は
本当のことなのでしょうか
閉めきったカーテンのむこう
オレの家のベランダで
ゆるゆると動くその光は
オレの肘の内側に
凝り固まった血のすじが
それは本当のことなのでしょうか
覗いたカーテンの隙間のむこう
隣のビルの屋上に
居並ぶヘルメット姿の警察隊は
天から声が聴こえます
どこかの女の喘ぎ声と
同じリズムで繰り返される
悲鳴に似たきしみ音
一糸まとわぬ姿のまま
包丁を握りしめ
内なる破壊にとりつかれ
涙を流して震えてる
それは
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