バキュームクリーナー
たくさんの日々は
覚えていようと
忘れ去られようと
強く思われながらも
思われなくても
ただ過ぎてく
懐かしさとか愛しさとか
何もできなかった後悔とか
間違った選択とか
寂しさとか
無駄な冷静さとか
諦めとか妥協とか
それでもなお少しまだ
どこかに持ってる希望とか
その時時だけの偽善とか
そんなもの全部
どこに吸い込まれて行ったんだろう
眠るように起きて
眠るように息をただ、吸って吐く
本当に息ができるのは
ただこうして
一人で指を動かしてるときだけ
愛しさはどこかになくなったんだろうか
誰もいない暗い部屋の中で
貰った掃除機の電源だけが
赤く光ってる
まだ繋がれているんだろうか
走った日々
追いかけた日々
様変わりしてしまった校舎
もう知ってる人のいない家
あの頃はいつも
一人部屋で
君に延々と書いてたんだ
それが息をしている理由だったから
まだ繋がっているんだろうか
無数の感情が言葉の海を飛び交う
その大抵はくだらないことかもしれない
この中に君はいないかもしれない
いるかもしれない
でも僕はいつも
君を探してたんだ
君だけを想って書いてたんだ
吸い込まないで
時は否応なく
忘れたくないことさえ忘れさせる
何もなかったかのように
笑顔で誰かに話しかける
この広い文字の海で
もし君が僕を見つけたら
聞いてほしい
ずっと
ずっと
あのとき、
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