第6話
今日は、久々の休みに俺の相棒、
守護獣フィリオと
フロージュの森に来ていた。
俺は、普段は、あまり
長距離移動をしないから、相棒に
窮屈な思いをさせてるだろうなぁと
考え、早朝散歩を、計画してみた。
フィリオは、いつもよりそわそわしていた。
なぜか森に、急いでいる気がしたが
久々の、長距離に、
楽しんでるんだろと思っていた。
森に近づくほど、高魔力?
森が ざわついていた。
相棒のフィリオに、低空飛行を指示し
高魔力をたどると、
川の中にドレスを着た女性がいた。
しかも赤ん坊?を 抱っこした 女性だ。
フィリオから降り、俺は気配を消した。
川の中の女性に近づくと
「私だけなら……。」
んっ。泣いてる?身投げか?心中?
ダメだ。理由は ともかく止めなければ。
とっさに、赤ん坊を抱っこした女性を
川の中から出す為、後ろから
俺は、抱きしめた。すると、
赤ん坊が、突然 激しく 泣き出した。
同時に魔力が、膨れ上がり
俺は、後ろにはじき飛ばされた。
ガシャン。
防御膜をはったが、強力な魔力に
一瞬、意識を失った。
あばらが、何本か折れたのか体が痛む。
回復薬 飲まなければ、やばいな。
赤ん坊?黒髪?
よく見ると女性も、ベールから
見え隠れしているのは 黒髪?
赤ん坊らしきものからの魔力の
うねりを気にしながら、
女性に身投げは
「やめろ。話なら 聞いてやる。」
と 痛みを こらえながら
話しかけてみると、
赤ん坊をギュっと、抱きしめながら
震えていた。
俺を見つめる目が、綺麗だった。
彼女に、惹かれた。
目が離せなくなった。
「何なの?」
「‥‥‥。」
「‥‥‥。」
かわいい。
黒目 、黒髪で魔族のように見えるが、
小さい。しかも、かわいい。
赤ん坊?も気になるが、
年の離れた姉妹? 姉弟か?
いやなにか違う気配がする。
女性も、俺を見つめてくれたので、
見つめ返してみた。
俺は、離したくないと思った。
思わず片ひざをついて、
胸に 手を当てた。
「失礼。アルヴァン王国第2騎獣隊団長の
グラン・アーザだ。」
「出来れば ご同行 願いたい。」
「‥‥‥。」
女性は、俺を見つめながら震えていた。
彼女に不安定な魔力が、うずまいていた。
「どうか、落ち着いて。」と
俺なりに、優しい声で話してみた。
女性は驚いた表情をし、
急にふらついた。
赤ん坊を抱きしめながら、
意識を失った。
か弱いかわいい声がきこえた。
「‥‥守って‥‥。」
俺の腕の中に彼女は、
すっぽりおさまった。
離したくない。
『守ってやるから、安心しろ』
相棒のフィリオを呼び赤ん坊?
と彼女を抱きしめたまま
ゆっくりと自宅に 戻った。
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