第5話

何度も、休憩をし水分補給を、

寝てる赤ちゃんにも、

水分補給しながらかなりの時間、

歩いていました。

だんだんうす暗くなってきたわ。

村か、山小屋でもあれば、

いいんだけど、見渡す限り木ばかり。

川の流れに沿って歩いてるけど、

方向音痴だし、

赤ちゃん以外、誰もいない。

たまに、大きな羽ばたきの音。

鳥らしき声も、きこえるくらいで

だんだん不安になり、

泣きたくなってきた。

寝てる赤ちゃんは、

重いってよく 聞くけど

たしかに重い。

なんだか、気のせいか大きくなった?

まさかね。

足を川につけながら

大きな岩に座って休憩。

はぁ、眠いなあ。

運動靴ならまだよかったんだろうけど、

履いていたのは、ドレスにぴったりの

かわいいヒールの靴でした。

森の中なのに、ドレスにヒール。きつい。

足には、擦り傷やマメができたので、

何度か癒しの魔法で、回復していたけど

今では 、ヒールの靴を脱いで 、

大きめの葉っぱと、草のツルで、

作った靴がわりのものを 履いていました。

気候は、春から初夏って感じで、

少し 歩いてると暑い。

食べ物や寝る 場所を、

早くなんとかしないと。

森の中だし 、赤ちゃん連れで野宿、

あぶないよね。

「私だけなら…。」

野宿でもよかったんだけど

と、言おうとしたら後ろから、

イキナリ羽交い締めされました。

何?誰?

赤ちゃんを守らなきゃ。

とお思う気持ちと、

怖さや不安で声が。出なくなった。

泣きたくないけど、泣きそうになる。

やめて、怖い、いや。

赤ちゃんが、突然、

激しく泣き出した。

私は、赤ちゃんの声で、

冷静になれた気がする。

大丈夫よ。と気持ちを込めながら

赤ちゃんの

背中をトントンしたかったけど、

羽交い締めされてるので、

出来なかった。

離して。危害加えないで。

怖いから嫌。

お願い、赤ちゃんだけでも

守りたい。

体の中から、何かが、熱くなり

気づいたら、羽交い締めから、

解放されてました。

ガシャン。

防具や剣を身につけた、

傷だらけの大柄な男性が

倒れていました。

誰? 変質者?

「やめろ。話なら 聞いてやる。」

うめくように言いながら、

胸を押さえてました。

んっ? 何 ?何の話?

私は、赤ちゃんを、

抱きしめなおしました。

この人、なに?

人を 襲っときながら、何なの?

「‥‥‥。」

「‥‥‥。」

わぁ。深緑の髪の毛に

青紫の綺麗な目。すごい。

身長 二メートル近くありそうな、

少し怖おもて。

体は筋肉質の男性と私は、

しばらく、にらめっこしていました。

目をそらしたら、負けだわ。

この男性が敵か味方か、

わかればいいのになぁ。

ポン


名前 グラン・アーザ

年齢 38歳

性別 男

職業 アルヴァン王国第2騎獣隊、団長

レベル 62

体力 627

魔力 358

風 木 癒


体を起こした男性が

片ひざをついて、胸に、手を当てました。

「失礼。アルヴァン王国第2騎獣隊団長の

グラン・アーザだ。」

「出来れば、ご同行願いたい。」

「‥‥‥。」

この人は 味方?乱暴はしないよね?

頭も、ボーっとしてきて、

体がなんだか熱い。

「どうか 落ち着いて。」

やばい、また、

のども乾いてきたし、お腹も、

減ってきたわ。

歩き疲れて足がふるえて、

力が入らない。

ふらふらしてきたわ。

なんだか 眠い。

ダメダメ。しっかりしないと

守らないと…。

意識を 失いながら 赤ちゃんを

「‥守って‥‥。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る