命日地獄呪いの惨禍

日付が変わるよ、午前零時

知らない明日が待っているんだって

去年の僕に伝えたい

どうしようもないことがあるせいで

外は、ずっとずっと嵐のままだ


変わらないでよ 三月三日

去年のことを思い出してしまうんだ

今年の僕はどうしよう

心は波は凪いでいて、ああ、そっか

外は、ずっとずっと嵐のままだ


そんな訳ないよ、雨音なんて聞こえない

雨音が聞こえないから去年じゃない

悲しいほど、悲しみ疲れて 無表情

「なんで、こいつら泣いてんだ」


聞けよ、こいつら、なんでか泣いてる

何十年も何にもしなかったのに泣いてるんだぜ

馬鹿だろ、馬鹿だろ、縁を切っといて

馬鹿だろう、馬鹿だろう、イイ所取りしたいって


午前五時には止んだ雨

非常階段から見える空は


――綺麗だった


サミシイ、サミシイ、イタイ、イタイ、クルシイ、クルシイ

ワカラナイ、ワカラナイ、カナシイ、カナシイ、くるしくて


――壊れていた


お礼参りをしたんだけど、どいつもこいつも

「関わりたくありません」だってさ

いいぜ、いいぜ、お前らなんか

今日を迎えても「そうだったなあ」しか思わない

こっちは残念は眠れない

なあ、なあ、なあ、誰か教えてくれよ


この頃、悪夢しか見ないんだ

手の届かない「終わりに」なった夢しか見ない

家族からの虐待を夢に見る

社会からの圧政を夢に見る

地獄、地獄、地獄 と毎日毎日、胸が痛い


ねえ、ねえ、ねえ、いつ死んだのさ

気づいたのは、いつなのさ、ああ、嘘つき嘘つき

こんな人生、大っ嫌い

今日という日が綺麗に壊れていった


アア ミンナ フツウニ イキテイルンダ


――幸あれ、幸あれ、呪いあれ

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