第27話:更なる店舗展開1

 そんな1985月年4月に三井銀行から電話がかかって来て相談したい事があるので、今週の水曜日に来て欲しいと言われ出かけると融資部長をはじめ6人のメンバーが集まり、開口一番、部長が妻有の里の調理師さんが50人を越えたそうですねと言い毎年、近郊の中学、高校、調理師学校から15人を採用していて、今後も増えるようですねと言った。


 そこで、中央線沿線から、今度、京王線沿線で商売してみませんかと話し出した。中央線沿線よりも、周辺人口は多く、今までよりも市場が大きいのは間違いない。もし、もっと狙うなら小田急線も近い。大きな工場を作るとしたら、環状8号線の外側に、いくつか貸し工場が出ていると言った。


 京王線沿線を攻略できれば、今の2倍、6億、小田急線も攻略できれば10億円以上は堅い。どうですか、この作戦はと店長にたずねた。確かに言われることはわかりますが、ここまで順調にいきすぎて怖いくらいなのに、そんな壮大な計画を言われても、即答はできませんと言った。


 わかりました、調べ上げた資料を持って行って、よく検討して下さいと言い、融資は5億円まで引き受けますよと言ってくれたので、新工場を建設するので1億円の融資をお願いし、了解してもらった。とにかく、貴重な資料を調べてくれてありがとうと言い、店長は店に戻った。


 店長は、夢子と副店長を呼んで、今週水曜日1985年4月25日、半日でも良いから、集まって、相談したいと言われ。了解した。水曜日、本店の個室で、資料を3部コピーして、夢子と副店長に渡して、読んでもらった。読んだ後、副店長が良い話じゃないですか、乗りましょう、調子が良い時に、一気に妻有の里を拡大させましょうと言った。夢子は、段階を踏んで着実に、増やしていった方が、失敗しないでするのではないかと言い、行動に出るとしても、今年は、京王線沿線だけに絞り、コックの卵を採用して、毎年確実に20人以上の調理師を育て上げて店舗を拡大していくべきだと話した。


 店長が、口を開いて、責任者としては、失敗が一番怖い、いままで順調に行きすぎているのも、実は怖いと思っているくらいだと本音を打ち明けた。副店長が、そんな弱気でどうするんですかと言ったが、夢子は店長に気持ちは良くわかりますが、今まで成功した事を積み重ねて、着実に大きくしていきましょうよと言うと、わかった。


 来年は京王線沿線を攻めようと言った。ところで、別館の工場部門は、そろそろ限界だろうと夢子に聞くと、その通りですと答えた。次工場を作るとしたら、別館程度の施設をもう一つつくるが、立地の良い場所に、今の規模の3倍に拡張できる大きな工場と倉庫が欲しいと言った。


 店長が副店長に、この考え方で今年、京王線沿線、分倍河原、府中、調布、仙川、千歳烏山の5駅を攻略すると言うことで良いかなと聞くと、多数決の原理で行くと、その意見になりますねと言い、この方針が決まった。


 副店長が、三井銀行からの借入金は、どの位になるか聞いてきたので、最初は、およそ1億円、小田急線沿線攻略を含めると2億円とみていると答えた。次に、京王線の分倍河原、府中、調布、仙川、千歳烏山の5つの駅前に店舗をさがしてみようと思うと言った。


 それを聞いて、夢子が最初は、工場でしょうと言った。工場を作って、早く、別館から製造工場に移す事が先決ですよと言った。この意見に対して、副店長も夢子の意見に賛同した。店長が夢子にスケジュールはと言い、最初に大きな工場を探してもらうんです。


 その工場で効率的な製造ができる様に、機械と人間の配置を考えるべきだと言い、早く工場を探して欲しいと言い、工場の中の配置が決まって試験運転して、どの位の速度で製品を作り出せるかみて、徐々に製造を工場に移すようにしていくべきだと言った。


 それは、夢子さんと、別館のスタッフでやってくれるねと言うのでやりますと言った。すると、店長がこ、の話を全てノートに書き込んでいた。

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