裕福な同居人

ハリマオ65

第1話:中央大学・夜間部卒のセールスマン

 池田松男、東京と立川市で1951年3月14日に生まれ、両親は専業農家で、

くる日もくる日も畑に出て夜遅くまで仕事をして帰ってきては売れ残った野菜と、

家で飼っている鶏の卵を使った卵焼きか、朝は、卵かけ御飯という生活だった。


 そのため成人した頃には、卵が苦手になる程、食べさせられ、更に、野菜も苦手になった。そんな生活のため、家は貧しく、高校を出でも、簡単に大学に進学という訳にはいかなかった。それでも、アルバイトをしながら中央大学の夜間部に入学し5年間かけて経済学部を卒業した。昔から、話が上手で、近所でも、多くのおばさん方に可愛がられていた。人なつっこい笑顔が人気だったようだ。


 そうして、人と話をする仕事、営業、セールスの道を選んで、N保険の営業部に1975年4月入社し、セールス活動に従事するようになった。すると、彼の笑顔と愛嬌で、次々と生命保険の契約を取れる様になった。


 成功した時の状況や、成功した理由など、セールスの時の状況を克明にメモして、営業報告書として、多くのノートを書き上げていった。そうする事により、失敗例を克服する努力を欠かさず、営業活動に邁進していった結果、3年目にして多摩営業所での契約件数トップになった。


 その後、ある企業の山北社長から釣りに誘われ、餌つけを手伝った。連れたときは手をたたき、社長のご機嫌を取っていた。船が岸に戻って時、今回の働きに報いてやるために生命保険の契約をしてやろうと言われ、来週訪問まで、一番有利な商品を盛って来なさいと言われた。次週、訪問したとき奥さんに守備範囲の広い健康保険と死亡保険の入った商品を提案して税金控除にもなるので社長にも有利だと訴えた。そして大口の契約をとれた。


 次の契約を取るために、何故、成功したかを、細かくメモしておいた。次に、死亡保険だけだと片手落ちだと説明して周り、健康保険+死亡保険をPRして回った。そして、そのPRが当たり、大口の健康保険+死亡保険の大口の契約をたてつづけに10件、取ることに成功した。


 新規開拓のため、一日、10件以上の新規訪問先の訪問する事を心に誓った。そのうちに、新規先でも松男にあいそうな、お客にターゲットにして攻勢ををかけ、新入社員や最近結婚した社員や、健康保険や死亡保険に入っていない人の情報をもらって回った。


 すると、気の弱そうな、最近、結婚した26歳の男性にもし病気や怪我で入院、手術したときの費用を見せて、そう言う費用を補償する契約をすすめて、契約を取ると、残り2人の最近結婚も根こそぎ、契約をとった。契約してくれた人にお土産を持って行き、契約をとれるたびに情報をくれた馬の合う人に、見つからない様に、お土産を欠かさず持って行った。


 数日後、以前、釣りにお供して、契約してくれた、山北社長からの電話でお得意さんの接待を手伝ってくれないかと言われ呼ばれた。指定された時間に行くと、餌を5つの小箱に分けて、接待する人に、い餌をつけて欲しいと言われ、すぐに分け始めた。その中で一番長老で実力者の今井光男社長が目が悪いので餌を上手につけられないので、つけてやって欲しいと言われ、了解した。


 20分後、今日の乗り合い船のメンバーが揃った。最初にホストの山北社長が挨拶して船に乗り20分して釣り場に到着して池田松男が今井社長が餌つけに苦労してるのを見て、「お手伝いします」と言い、「目だけは良いので」と笑いながら言うと、「じゃー頼む」と言われた。

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