月曜の放課後、1人の教室で

酸化鉄

第1週 「またね。」と彼女は言った

「またね。鴫野くん。」

僕1人だったはずの教室で彼女は言った。





僕は月曜日の放課後が好きだった。僕の学校は月曜日どの部活もやっていないから基本的に教室にの残る人はいないから1人になれるこの月曜日の放課後が好きだった。

けどこれは過去の話。今から僕がこの1ヶ月で体験した不思議な出来事を話そうと思う。





僕、鴫野 悠は今日も教室の隅にいた。朝学校に来たら角にある自分の席についてソシャゲ勤しむのが日課だったし何よりも教室の隅という空間が好きだったから学校には早く来るようにしていた。そして特に楽しみだったのが月曜日だ。月曜日の放課後は人目を気にせずに1人になれるからだ。僕はいかんせん周りの目が気になって電車の中とか家族がいる家の中だとどうにも落ち着かなかった。だから僕は月曜日、帰りのHRが終わっても自分の席から動こうとはしなかった。周りの目なんてもうこれっぽっちも気にならなかった。

そんな平和な日常が崩れたのはちょうど1か月前の月曜日だった。その日の放課後も、僕は1人教室の隅に残ってソシャゲに勤しんでいた。彼女が声をかけてきたのそんな時だった。

「あなたはいつもここで何をしてるの?」

僕はその声に驚いて後ろを振り返った。すると、僕の真後ろにはミステリアスな雰囲気を放つ少女がいた。見た目からして恐らく同い年だろう。制服もここの学校のものだ

「あなたには私が見えてるの?」

僕が彼女の意味不明な質問に困って黙りこくっていると、彼女は

「やっぱり見えてないか」

とかまたよくわからないことを言ってるので

「見えてる。見えるに決まってる。」

と、少し大きめな声で答えてやった。

「驚いた。まだ見える人がいたんだ。」

逆に見えない人がいるのかと聞きたいなんて思ってると

「またね。鴫野くん。」

彼女はそう言って教室の外に姿を消した。

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月曜の放課後、1人の教室で 酸化鉄 @Sankatetsu8912

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