第14話 !?

 貧乳についてのエッセイを読んでいた。とても勉強になった。女性は、その大きさだけで、こうも人生が翻弄されるのかと。そして、貧乳というものが、どれだけコンプレックスになりうるのかと。


 自虐ネタは、AKARIは本来あまり好きではない。自分を卑下する場面があまりにも日本には多すぎる。謙遜? それは、本当に謙遜か? そう、問たくなる場面に多々遭遇する。


 だが、作者さんは、その貧乳を素晴らしく面白く書いていた。だから、私は、笑いすぎて泣いていた。


 しかし、それから更に読みすすめて行くと、深く考えてしまった。そして本当に泣けてきた。胸が痛くなり、「生きるってそういうことだよね……」なんてコメントを残してしまった。


 そのせいか、翌日には、作品のキャッチフレーズが「笑ってくれていいんですよ!」に変わっていた。気を遣わせてしまった。申し訳ない。


 その後も思い出すと、しばらくなんだか悲しくなるので読めずにいたが、もう一度、女性の心の叫びを勉強しようと、読みに行った。その頃には、レビューが沢山書かれていた。その中の1つに「……僕は無類の貧乳好きで……」とあって、AKARIは愕然とした。そんなことがあるのかと。


 だから、私は早速主人に話をした。


「ねえ。無類の好きがいるんだって!」


 ソファに座っている主人は無言で一点を見ていた。その反応にはお構い無しに続けるAKARI。


「知らなかった。男の人ってみんな大きい方が好きかと思った。だけどね、その人、巨乳と結婚したんだって」


 主人が、ピクっと動いた。


「それ、な。頻尿じゃなくて貧乳なっ」


「あー。そうかそうか。いやしかし、そうなんだね。好きな人がいるんだね。ひんにょう」


「貧乳なっ!」


 こんな会話はザラだ。だから、私は普通に話を続けた。


「だけどさ、なんか漫画の女の子も、ラノベの表紙の女の子もみんな巨乳じゃない?」


「うん。受けがいいんだろうな……。俺は巨乳苦手だなぁ……」


「!?」


初耳だった。

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