普通?の幸せ
勝利だギューちゃん
第1話
季節はまだ2月。
歳をとると、月日の経つのが早く感じるが、それは一般論。
怠惰な生活なのか、それとも充実しているのか、
月日の経つのが、最近は遅くなっている気がする。
これも、ひとつの相対性理論なのか・・・
アインシュタイン先生、教えてくれ・・・
「何、ぶつくさ言ってるの?」
ふいに声をかけられる。
「マイルか・・・」
サンタクロースのマイル。
アニメのDVDを見てたら、遅刻して元旦にやってきた。
本人は、指摘されるまで、全く気付かなかった・・・
「畑中悟くん、もう説明はいいから・・・」
「でも、とにかくやめなさい。いいわね」
へいへい
僕のクリスマスを過ごす彼女が欲しいという、贈り物を届けに来た。
その贈り物が、彼女自身・・・
で、今年のクリスマスまで、彼女になり、同居している。
自信があるのはいいことだが・・・
さすがに四六時中一緒だと・・・
「嫌なの?」
「いえ、光栄です」
「よろしい」
別れた時の悲しさが脳裏をよぎる。
恥ずかしくて言えない・・・
「まだ、2月だよ。クリスマスまで10カ月もあるからね。
楽しみましょう」
「そういえば、ニオは?」
「お母さんと買い物」
「そっか・・・」
うちの両親は物分かりが良すぎる。
ちなみにニオは、鬼の女の子。
マイルとは逆に、せわしない。
そういや、ふたりは、いくつなんだろう?
人間でないのはわかっているが・・・
果たして、歳を訊いていいのか?
やはり、女の子には不味いか・・・
でも、人間じゃないし・・・
「私もニオも、人間だと君と同世代だよ。悟くん」
「そうなの?」
「うん少しだけ、お姉さんだけどね。少しだけ・・・」
で、いくつなんだ?
「私もニオも、520歳だよ」
少しじゃない・・・!!
「冗談よ。でも、サンタと鬼だから、あまり若いと仕事にならないわね」
意味深いが、もう歳を訊くのはやめよう・・・
「じゃあ、悟るくん。これからマイルお姉さんと、お出かけしましょう」
「今日も?」
「嫌?」
「光栄です」
しかしまあ、家の事を手伝ってくれるので、助かっている。
この時間が、少しでも長く続く事をいのる自分がいた。
普通?の幸せ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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