異世界で俺は、お嬢様の為にロボットに乗る

イータ提督

第1話 彼の場合

自分の事ながら愚かだと思う。


どうして動画や本で見ただけの知識でサバイバル出来ると思ってしまったのか。

現在の所持品は、水筒の水 ハンドル充電式ランタン 簡易携行食 コンパス ナイフにファイアスターター、そしてこれらを入れた鞄のみ。


馬鹿なのだろうか、地図がないのにコンパスなど何の意味があるのか。


次からは気をつけよう。

次があれば、だが。


周りの木々の区別など、素人の自分には出来なかった。ここが森の深い場所なのか、浅い場所なのかの判断もつかない何か目印になるものがあれば、救助隊が空から見つけてくれるだろう。


そう考えて、歩く。


木々のひらけた場所に出る。


そこにあったのは、森の休憩所でも、民家でもなく、

ただそこに、それだけがポツンと鎮座した、苔むした西洋風の扉だったのである。


訳がわからないが、今日はもう疲れた。


焚き火を焚いて、扉に背を預け、獣と夜の闇に怯えながら、寝た。


そして気づけば、そこは知らない天井だった。

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