グレーゾーンな話

第1話 悪ガキ

私は幼少期 父の会社の社宅に住んでいて

しかも10トントラックがブンブン通る埋め立て地の工業地域。

しかも会社の敷地内に許可無く勝手に社宅を建ってたという自由ぶりで。市に申請せず建てたからごみ収集車は自分達で手配していたらしいから驚く(その後は申請して許可が下りた。当時は工業地域ゆえ 人が住む物件は建てれなかったらしい)

都会なのに人里離れた離れ小島のように閉鎖的。しかも親にとっては会社の人間と常に一緒というなかなかディープな環境で育ちました。

しかも 50件ある社宅の子供たちが

半数ぐらいヤンキー。

だからなかなか ハードな毎日で 小学校3年生ぐらいには「生きるのって厳しーーー‼︎」と思ってました笑

この社宅のヤンキーの頂点に君臨する「松田(仮)の3悪」と呼ばれる男ばかり三人兄弟がおりまして

また これが悪くて 社宅外にもその名前を知らない人はいないという有名さ。

長男→鑑別所→ヤクザ

次男 (若干 穏やか)

三男 最悪な悪ガキ

私はこの三男がキングの世代で 意味なく

「お前とお前戦え‼︎」と指名され、女子なのに殴り合いをさせられたり

「パンツの中を見せろ」と追いかけ回されたりとまぁ 本当最悪な悪政を働いており

素行も当然悪く 社宅の駐輪場に停めてある自転車の後輪のタイヤ 全て画鋲を刺して回り

サドルはカッターで切って回るので雨が降った後など うっかり自転車に乗ると「冷たっ！」とお尻が濡れるという目に合う。

みんなほとほと手を焼いていて でもやはり自分の母親は怖いらしく

兄が幼稚園の時 この三悪にフルぼっこにされ

さすがにブチ切れた私の母が「3人がかりで何でここまでされなあかんねん！」と怒鳴り込んで行ったら その母親は子供の悪事を全く知らなかったようで どのように叱ったのかわかりませんが、それ以降殴られる事はなくなったらしい。(でも こののち 三悪に対抗すべくなのか兄は武道を習わせらる事になる。)

社会的には長男が1番のワルに思えますが男気はあったようで 社宅近くの釣りスポットで釣り客の子供が海に落ちたのをこの長男が飛び込んで助けたらしく

それを聞いた父が「警察に嘆願書を出して表彰してもらったらどうやろう？」と提案したら「社宅を出て行けという嘆願書なら書くけど、そんなもん誰も書かへんわ！」と却下されたらしい。

会社の出来事を家に持ち込む父ではなかったが「いい事をしたなら褒めてやるべきだ」と言ったそうです。

あの時表彰されてたら 何か変ったかもしれませんね。今はどうしているのやら