第5話:結果発表(改稿版)

 講堂に向かうともう発表が始まってるらしく、講堂から出てくる学生もいます。

 ちょっと来るのが遅かったようですが、早くても遅くても結果には変わりはないので構いません。


「リート、お前・・・」

「くすくす・・・」

「あーあいつか・・・」


 なんか、すれ違いざまに笑われてるような気がします。

 どういうことでしょうかね?


「ジェス、何か僕笑われてない?」


 とりあえず、ジェスに聞いてみる。


「そんな気もするな。

 まぁ、気にするほどじゃないと思うぞ」

「そう・・・かな・・・」


 とりあえず気にしてもしょうがないので、講堂の中に入ります。

 結果は壁に貼られており、その前に学生が群がっています。

 みんな結果が気になるようです。

 まぁ、これで将来の職業の方向性が決まると言っても過言ではないので、必死になる人もいますよね。

 とりあえず、確実そうな学術クラスを見てみます。



「学術クラスは・・・えーと・・・あ、あったあった」


 学術クラスは予想通りトップ10内の7位に入ってました。

 これで、なんとか滑り止めはなんとかなったので、安心して後の2つを見ることができます。

 次は、剣術クラスですが、一番期待薄な感じがします。


「剣術クラスはっと・・・あー・・・」


 補欠にも入ってませんでした。

 残念ながら剣術クラスは色々とハードルが高かったようです。

 まぁ、テストの内容的にもボロボロだったのでしょうがないと思います。

 反対にあのレベルでついて行くのはかなり大変なので、最初ではねられた分良かったのかもしれません。

 いや、ほんとマッチョばっかりだったような気がします・・・


 さて、最後は魔術クラスですが、これもかなり微妙な感じがします。

 鑑定石の光り方も微妙だったし、スペルテストは気絶したし、よく考えたらいいとこがないような気がします。


「えーと・・・」


 普通は、正式枠40名でその他に補欠が10名くらい書かれているのですが、今回は何かちょっと違います。

 正式枠39名、お笑い枠1名、補欠10名になってます。


「お笑い枠???」


 さっきからすれ違う人に笑われてたのはこれなんでしょうかね。

 お笑い枠に僕の名前が書かれています。

 お笑い枠っていったい何なんでしょうかね。


「リート、お前お笑い枠って・・・」


 ジェスも笑ってます。


「これ、合格でいいのかな???

 お笑い枠だけど?」


 近くにいた先生に聞いてみます。


「先生、このお笑い枠って何なんですか?」

「あ、リートくんね。

 それは一応、合格よ」

「合格なんですか?」

「一応ね。

 担当の先生が言うのは、合格というには判断がつかない部分があるけど、補欠にするには惜しいらしいわよ。

 だから、お笑い枠?」


 そこ疑問形ですか。。。


「そう、ですか。

 なんとなくわかりました。

 一応、合格でいいってことですね・・・」


 なんだかよくわからないけど、合格は合格でいいらしいです。

 とりあえず、なんとか学術クラス以外の選択肢はできたわけですが、合格した理由はよくわかりません。

 でも、だからって、お笑い枠はないと思うんですけどね。


「そういえば、ジェスはどうだったの?」

「問題なく魔法クラスの1番だったぞ」

「そっか、お笑い枠の僕とは違って優秀だな・・・」

「まぁ、何だって入れればいいんじゃないか?」

「そういうもんかな」

「そういうもんだ」


 ジェスと別れて、家に帰ります。

 商店が閉まった後に、家族で夕飯の時間が始まります。


「リート、今日の結果はどうだったの?」


 母さんが直球で聞いてきます。


「一応、学術クラスと魔術クラスは合格したよ」

「それは良かったじゃない、おめでとう」

「リート、良かったな。どんな道に進もうとお前の自由だからな」


 父さんもほめてくれます。


「うん、わかった。

 多分、魔術クラスに進むと思う」

「そうか、ライルは商業、ルクスは剣術で、ジートは商業だし、魔術は初めてだな」

「魔術には何か惹かれるものがあるんだよね。

 商業じゃなくてごめん」

「何を選ぼうとお前の自由だから、気にするな」


 寝る前になって、何か忘れてるような気がしました。

 気になるので、今日のことを思い返してみます。

 学術クラスのテストがあって・・・

 剣術クラスのテストで気絶して・・・

 あ?!そういえば、明日の朝からエリエルの道場に来いって言われてたのでした。

 魔法使って気絶したりしてたので、すっかり失念してました。

 面倒ですが、行かないとエリエルに会った時に殺されます。

 確実に仕留められます。


 色々気になることもありますが、今日は早く寝て、明日からまた頑張ることにします。

 しょうがないので、朝から剣術の稽古に行くことにして、今日は寝ることにします。

 長い一日だったので、ちょっと疲れました。

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