第24話 カタカムナ人の考え方 

「ゴジラ、えと渡辺先輩」


「もうゴジラでいいよ、面倒くさい」


「くすくす」笑い声がする。




「じゃぁお言葉に甘えてゴジラ先輩、 カタカムナ人の考え方を言えますか?」




「ああ、中居先生から何度も教わったからなんとなく理解している。確か潜在世界と顕在世界の表裏一体だったな」




「そうです、さすがですね!物事には何でも表と裏の二面性があります。分かりやすく言うと目に見えるものと目に見えないものです」と言って首からぶら下げた緑の勾玉を見せる。




「この勾玉は今、目に見えてるんです。そしてその横に目に見えない同じ形、同じサイズの勾玉が一対になって円を形成しています。そこにいる摩耶さんは目に見えない方も見えるのよねー」




「へー」


「凄いなー」


「俺には一つしか見えないぞ」




全員が後ろに座った摩耶のほうを振り返りる。




「話を戻すわよ!ゴジラ先輩、500円玉のこちらの面が今のあなたです。そして裏面も同じゴジラ先輩なんですけれどもその存在は目に見えないし、そもそも宇宙にいます」


「言ってる意味がよくわからないな」


「分かりやすく言うとクラウドね。パソコンの膨大なデータをみんなクラウドに保存するわね。そして必要に応じて引っ張ってくるわよね。でもクラウドはどこにある?目に見える?」


「ということは今の俺はパソコン本体で大元は宇宙にあるクラウドなのか?」


「ピンポーン!大正解です!当然クラウドの方が莫大なデータを持ってるし存在として大きいのよ」



「しかし急にそう言われても、実際に体験しないと理解できないな」


「なに言ってるのよ。毎日アクセスしてるじやあないの」


「え、いつ?」


「寝てるときよ!」


「睡眠中か!」


「そう、寝てるときは今日見た景色や出来事の記憶を必要なモノだけを残してあとはクラウドに保存するのよ。だから朝起きたら頭の中は必要なモノだけ」


「そうか、睡眠とはそういうことだったのか」


「だからよく寝た朝はスッキリするし、寝なかったらパワーが出ないでしよ?」


「質問いいですか?」

副部長の堀が手を挙げた。

先輩なのに、もはやメグに敬語モードである。


「どうぞ」


「クラウドの方の記憶容量はどのくらいあるのですか?」


「無限よ!だから貴方の生まれてこの方の全ての全記憶が映像として残っているわ」


「本当ですか!なんか信じられないですね」


「でしょう。表の私たちはUSBほどの小さなものなのね。で、このたびは表と裏が代わろうとしている大事な時期なの」


「時期というと?」


「およそ6500年おきにらコインの裏表が交代するのよ。すなわち物質文明が終わり精神文明とチェンジするの」


「具体的にはいつなの?」


「去年の2013年が交代の年だったのよ」


「去年?そんなに大きな変化はなかったけどもなー」


「また、目に見えるもので考えているでしよう?精神文明は目に見えないのよ。マヤ歴が2012年で終わっているのがその証拠よ!」



「とにかく価値観が変わるのね」



「そう、今までは物質文明期間だったからお金や貴金属や土地など、目に見えるものをたくさん持つ人が富を持つ人と言われてきたけど、これからの6500年間は価値観が180度逆転ね」


メグがここまで話した時にスマホが鳴った。


メールが2通入っていた。



「作業完了や!」


「ゲート設置終わったんだナ」


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