第126話 天女 木下さん

エッチな話が続く中で俺はどうしてもこの辺りで木下さんのことを書かざるをえなくなってきた。


木下さんは俺の1つ下で、短大を卒業してレディーさんとして入社してきた。


若いのに化粧が上手でベッピンで超ボインなレディーさんだった。

常にレディの制服の胸のボタンが今にも張ち切れそうであったのを覚えている。

少し背の低い峰不二子を想像していただければわかり良い。


俺はこのような「ダイナマイト・バディ」の若い子を採用する人事部に対しては常に感謝したものだ。


今では「セクハラ」と言って女性社員に卑猥な言葉を言ったりボディータッチなどしようものなら一気に告訴され逮捕まで行くらしいが、バブル時代の証券会社の支店内部には「セクハラ」なんぞと言う気の利いた言葉は一切なかった。


そんなものがあったら毎日逮捕者が続出していつの間にか支店内には誰も男性社員がいなくなってしまったであろう。


その中でこの木下さんはべっぴんでナイスバディーでありながら我々男性社員のセクハラを一身に受け止めてくれていた、まるで天が遣わした「天女」のような存在であった。


どれぐらい、天女かと言うと我々は毎朝支店に出勤するとまず木下さんの豊満なおっぱいに「おはよう!」と明るくタッチする。


理由は「木下さんのおっぱいを触ったら縁起が良くて株価が上がるんだ」と適当な理由をつけていた。


もう理由なんてなんでもいい。


すると彼女は全く抵抗もないどころか

「私の胸に触って株価が上がるんだったら安いものです。どんどん触ってください」

これぞ、まさに「天女の一言」である。


この彼女の言葉に甘えて全員が普通の朝の挨拶としておっぱいを触るようになっていた。


そして慣れとは恐ろしいもので次にケツを触るようになってきた。


天女はそれさえも全く動じずに許容してくれた。


本当にありがたい。


最初は「あまり女性を触ったいかんぞ」とか言ってた課長も、悲しいかなもう最後のほうは率先して触っていた。


課長席にお茶を運んできた天女のケツを触る営業課長。


「よし木下さんを触って元気が出た。みんなも元気出して石川島播磨買いに行こう!」

などと号令をかける。


非常におおらかでシンプルだ。


しかも彼女は我々が男性だけで「飲みに行くぞ」と言った時にでも必ず「一緒に連れて行ってください」と言ってホステスのように横に必ず座ってくれた。


シラフでもいつも触りまくっている天女に対して我々が酒が入ったらどうなるかは想像にお任せする。


ズバリ「天女最高!」であった。


もちろん彼女も我々証券マンを狙っていると言う下心はあるのであろうが、わが支店は天女によって心を癒されたことは間違いない。



俺は当時バブルを影で支えていた天女たちが各会社にいたことを確信する。


現代の働く女性たちに声を大にして言いたい「良い天女たれ」と!

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