僕たちは何も知らなかった

たお すみれ

プロローグ

 忘れられない、高校3年生の冬。

 僕―─山内優希と「彼女」とのお話。

 受験も終わり何気なく毎日を過ごしていた。

 他愛もない日常の繰り返し。彼女と話し、友達と遊び···。

 代わり映えのない日常に退屈さえ覚える。

 そんな日常は過去の積み重なりで出来ている。

 嬉しかったこと、悲しかったこと、辛かったこと···。

 そして抱えた秘密。

 大きなこと、小さなことが沢山たくさん積み重なった上に立つ僕と「彼女」。今まで少しずつ積み重ねてきたこの足場がある日突然崩れるなんて少しも思わなかった。

 そう、あの時──

 僕たちは何も知らなかった

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