第23話

☆☆ 


なぜ私は残されたのだろう。

なぜ私だけが生かされたのだろう。

どんなにそのことを考えても、もう答えを得ることは叶わない。

だってこの世界にはもうその問に答えられる者は残ってはいない。

世界に私はたった一人だけなのだから……

無意味だった……

答えのない問題について考えることも。

今のこの世界に私の存在も。

それでも私は自らの喪失を望むことはない。

だって私が消えてしまったら、彼のことを思い出すことさえできなくなってしまう。

だから、今日も私はただ思う……

私の全てである彼のことを。

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