こんち


「へいらっしゃいらっしゃい!」


「ここはお寿司屋さんだね。」


「おーぼく、一人かい?お金はちゃんと持ってきたんか?」


米を握るおっさんは問いかけた。


「なめてんじゃねーぞ」


少年は無表情で答え、ジュラルミンケースをバンと出した。おそらく金が入っている。


「お、おう…」


「おっさん、ガリ」


「いきなりガリ!?」


「なめてんじゃねーぞ」


無表情で幼い声を発す。


「お、おう…ほらよ。ガリ。」


少年はガリをガリガリ食べる。


「おっさん美味しかった!」


「え、もういいの?」


少年がジュラルミンケースを開ける姿に唾をのむ…

なんと、中に入っていたものはオリンピックの1000円硬貨だった!!


「ぼく、それじゃ払えないよ…お母さん、呼ぶ?」


少年は言葉は発しなかったが、驚いた表情だった。

次の瞬間少年は回転レールの席へ走り込み、レールを手で抑え、一方的に引いた!!

高速でレールが動く!!

お客さんは皿を取ることができないだけでなく、予約した皿も素通りしていく!!

食べたいのなら取れ!サバイバルだ!


「ぼく、やめるんだ!ガリくらいなら多目に見てやるから、お願いだから回転寿司を高速回転寿司にするのだけはやめてくれ!」


「じゃあ帰るぞ。」


少年は怒って帰っていった。

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