最強過ぎる少年X

泉 直人

こんにーちわ。


「ぬわああああああん今日も仕事ぉおおおお」


雄叫びをあげるようにトイレでくそしているお尻の大きなリーマン。


「こんにーちわ。」


少年の声が聞こえた


「えっ!?はっ!?」


どうやら隣の個室から挨拶している。電話か独り言かと思ったが私の方へ向けて言っている事が分かった。分かるのだ。両手を壁に当てて声を届けている事が。見えていなくても。


「ぼ…ぼく?迷惑だからやめようね?」


優しく注意すると。


「飴玉くれたら挨拶する確率30%だうん。」


意味不明な交渉だが、ここは約束するふりして黙ってお電車へ乗りにいけばいい。無視すればいいのだが、泣かれると困る。


「分かった。分かったよ。だから静かにしててね?三つで90%かな?」


「えっ!三つもくれるの!?」


「そ、そうだよ…?」


「分かった!じゃあ10%の確率で挨拶するね?」


(もう十分うるせぇけど…)


ーくそを流してお扉を開けて出ようとした瞬間ー


「ぼくがお扉開けるよ!」


(ドッゴォォォォォォオオオオオン)


少年はお壁を衝撃波か何かで突き破った。三つのおトイレの個室のお壁が綺麗に砕けちり、貫通どころではなかった。

私は驚きのあまり身体が動かなかった。


「買いにいこ。ど○ぐりガム。」


そんな時間はない。もうお電車に乗らなければお会社に遅刻してしまう。


「おトイレ壊す悪い子にはあ、あげな~い」


にっこりしてその場を去ろうとすると足を捕まれ引きずられた。


「だ、大丈夫ですか!?」


駅員さんがすぐに駆けつけ私を見て確認する。


「だずげで…」


駅員さんがすぐに少年の腕を離させようとする。


「こんにーちわ。」


(まだそのルール引きずってたのーーーー!?)


「ぼく、危ないから手を離そうね。」


「オアシスの大○保に会いたい。」


急な要望だった。


「ご、ごめんねー。ちょっとできないけど離してくれる?」


すると少年はリーマンのお身体をぐるぐると回した。駅員さんは近づけない!!

少年はリーマンを乗り場の方へ向けて投げた!リーマンはお電車にギリギリ入ることができたが着地の仕方が悪かったのかリーマンは女子高生にきゃーと言われるような体勢だった!


「ディーン○気!!」


(それは別の競技!!)


駅員さんは全員同じ事を思ったのだった。

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